藤徳物産が春夏商談会 簡便・健康志向の新商品 渋江社長「地域を深掘り」

藤徳物産は1月26日、コンベックス岡山(岡山市北区)で「第20回春夏商品商談会」を開いた。269社が出展し、143社・約330人が来場。出展メーカーの内訳は食品137社、酒類58社、低温65社、ペットフード9社。

「商談会という名前の通り、各社がトレンドを踏まえ発売した商品を見てもらうのが狙い」と渋江透社長が話すように、メーカー各社が物価高や簡便・健康志向といった市場動向に沿った商品のアピールに力を入れた。

岡山手延素麺(岡山県里庄町)は幅を細くすることで、従来10分以上かかっていたゆで時間を5分に短縮した「手延べうどん」を発売。「早ゆでで時短志向に対応した」(営業部)。

麩の製造卸、いとふ(京都市)はスナック「おふのひととき」を新たに発売した。2年前につまみ向けにスナックを商品化したが、今回はシーズニングを使用せず塩味も抑えた。「お酒を飲まない女性や子どもでも食べやすいようにした。麩のレパートリーを広げ次世代につなげていきたい」(本社営業部)と強調する。

地域卸として、地元企業や学校との連携にも引き続き注力する。岡山南高校と企業との共同開発商品として、新たに「もんげぇ豚丼じゃあ!」を発売した。岡山のピーチポークを使い、18年に開発した「焼肉の糀たれ」で仕上げた。同校商業学科の3年生は「先輩が作った、たれを引き継いで新たに商品開発することができた。販売会や試食などの活動を通し、岡山を盛り上げていきたい」と力を込めた。

渋江社長の話

得意先小売業の方々と話をすると、地元をもっと大事にしなければならないと言われる。改めて深掘りし、新しい提案につなげたい。岡山はアピールが上手くないと言われるが、高校駅伝やサッカー、マラソンなどスポーツが盛り上がっている。食も良いものがたくさんあり、しっかりアピールしていきたい。

今期の進捗は12月まで、前年を上回り推移している。だが、数量ベースで伸びているとは限らない。消費者が店を厳選し、買い回りしながら節約する傾向が強まっていると思われる。冷静に判断することが重要になる。