「PBの役割は今まで以上に大きくなっていく」 ファミリーマート「ファミマル」でお得感も打ち出して勢い加速へ

 ファミリーマートは好調に推移しているプライベートブランド(PB)「ファミマル」で商品を拡充していくほか20円引きセールやTVCMで需要喚起し勢いを加速させる。

 「ファミマル」は2021年10月19日に誕生。今年2月には旧PBとの切替えを完了し、毎月前年を超える販売実績を記録。これに牽引されファミリーマートの既存店日商売上前年比も21年11月から直近8月までの10か月連続でプラスを記録した。

 これによりファミリーマート全商品のPB比率は21年10月時点の30%から今年8月末時点で32%に上昇。24年度目標の35%を目指し「ファミマル」のキーワードである「おいしい◎うれしい◎あんしん◎」にもとづき取り組みを強化していく。

 3日、「ファミマル」1周年記者発表会に臨んだ柘植幹子商品本部商品業務部ファミマルブランドマネジャーは、約1年間の手応えについて「一番感じたのは、お客様に商品のよさを伝えることの重要性。これまで“なぜおいしさに気づいていただけないのか”と思うこともあったが、やはりパッケージを変えて、そこに推しのポイントをしっかり入れる。それだけでお客様の目に留まり支持していただけるところが非常に大きい」と振り返る。

 この気づきは商品開発にも波及し「おいしい◎うれしい◎あんしん◎のポイントがどこにあるのかという議論が活発になった」という。

 中でも「ファミマルKITCHEN」はおいしさの訴求が奏功。「おむすび、お弁当といったものが様々な打ち出しによって非常に好調に推移している」と説明する。

 食品業界で今年最大級とされる値上げラッシュが始まり消費の冷え込みが予想される中での「ファミマル」の役割については「『ファミマル』としては価値を訴求していくブランドを目指している。ただその中でも“ちょっとお得”はうれしい◎の取り組みの中でやっていきたい。価格が高騰する中で、PBの役割は今まで以上に大きくなっていくと認識している」との考えを明らかにする。

 このお得感について、足立光CMO兼マーケティング本部長は「値段だけで勝負しようとは考えていない。量を含めた価値もあり、いろいろなお得な買い方を提供していく」と補足する。

刷新した「ファミマルKITCHEN PREMIUM」の「お肉の旨みを閉じ込めた 極じゅわハンバーグ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
刷新した「ファミマルKITCHEN PREMIUM」の「お肉の旨みを閉じ込めた 極じゅわハンバーグ」

 おいしい◎取り組みとしては、チルド飲料「カフェラテ」シリーズや「ファミマル KITCHEN PREMIUM」を刷新して定番商品を強化していく。

 「ファミマルKITCHEN PREMIUM」はプチ贅沢ニーズへの対応で拡大を見込む。
 これまでの展開で「ハンバーグは通常の価格帯のハンバーグ商品と販売数量的に大きく差がない。毎日の生活の中で“ちょっと贅沢したい”というハレの日需要があると考えており、こういった付加価値商品は必要」とみている。

 カリフォルニアワインを量販店のお得に対抗した価格で販売するなどして、うれしい◎にも対応していく。

 20円引きセールは「ガチ推し20商品20円引きセール」と題し、人気商品20品を対象に4日から24日までの期間限定で実施する。生田斗真さんを起用した字幕付きTVCMなど広告展開も大規模に行い需要を喚起していく。

調理パンに導入された「健康アイコン」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
調理パンに導入された「健康アイコン」

 健康意識の高まりにも対応。あんしん◎の取り組みとして「健康アイコン」を順次導入していく。
 「お客様が気になる、たんぱく質や食物繊維などが直感的に分かることを意図したアイコンとなる。4月に調理パンで先行導入したところ売上げを牽引する商品として育っている。秋以降、調理パン、サラダ、惣菜を中心に約20アイテムに掲載していく」(柘植氏)考えだ。