14.5 C
Tokyo
16 C
Osaka
2025 / 12 / 02 火曜日
ログイン
English
トップニューススナック/シリアル市場 昨年は明暗 主力の成否が勝敗分ける
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

スナック/シリアル市場 昨年は明暗 主力の成否が勝敗分ける

スナックとシリアルの2018年度市場動向は明暗を分ける形となった。スナック菓子は数量2.9%増、金額2.0%増と17年度に続き堅調に推移したが、シリアルは数量3.4%減、金額2.4%減とマイナスした。スナックは総務省家計調査でも18年全国1世帯(2人以上)の消費支出が4.0%増と伸長している。これはポテトチップスが過去最高の出荷額となったことと連動する。一方、シリアルは16年まで急成長してきたグラノーラがここ2年頭打ちとなっていることが大きい。

スナック菓子では、16年の台風影響でじゃがいもの主産地である北海道の収穫量が激減したため、17年春の店頭で一時期ポテトチップス製品が消える事態となったことが記憶に新しい。スナック原料に基づく割合は04年がポテト系50%に対してコーン系20%だったが、18年にはそれぞれ60%と15%と変動し、ファブリケートポテトも10%程度と若干低下した。17年は馬鈴薯減産により、コーン系が一定の代替機能を果たしている。

このポテチショックにより、17年はポテトチップスの生産数量が大きく落ち込んだ半面、その穴を埋めるように、ファブリケートポテト(成型)やコーン系スナック、小麦系スナック等が急増した。スナックのみならず米粉を使用した米菓製品もポテチショックの恩恵を受けた。しかし18年に馬鈴薯の収穫が回復すると、ポテトチップスの生産・出荷が従前を上回る増加に転じたため、17年とは全く逆の構図となった。

18年のポテトチップスは、金額ベースで80億円増、対前年比6.0%増の総額1千672億円と過去最高の出荷額を記録している。野菜系等その他スナックも63億円増加した。その半面、コーン系スナックは63億円減少、対前年比13.3%減の414億円まで落ち込んでいる。小麦系スナックも25億円マイナスの224億円だった。

この結果として、スナック菓子トータルでは数量ベース23万7千t、金額ベース2千738億円と過去最高の数値を更新している。それだけ、スナック菓子全体の金額ベース約6割を占めるポテトチップスの復調がもたらすプラス効果が大きかったことにほかならない。

シリアルに関しては、11年から16年にかけて約7倍の急成長を遂げてきた。グラノーラは10年前の09年度金額ベースでシリアル全体の17%を占めるに過ぎなかったが、ピーク時の16年には構成比71%と一気に高成長し、18年でも構成比67%と最大カテゴリーであることには変わりがない。

ただ、グラノーラに関しては中国など訪日外国人が購入している分を除いて、純粋に国内市場だけを見れば、この2年間も大きな変動はなく、市場にしっかり定着している感もある。実際問題として、グラノーラ最大手であるカルビーは昨年、北海道と京都にグラノーラのライン設置・増強を行い、主に中国向けの輸出を拡大しており、海外市場の拡大を進める。

カテゴリー的にはグラノーラの伸長に対して漸減傾向にあったコーンフレークが18年は数量7.3%増、金額3.5%増と久しぶりに前年を上回った。それでも、スナックは最大ジャンルのポテトチップスの伸長で拡大したが、シリアルは最大ジャンルのグラノーラが沈み、減産・減収が避けられなかった。つまり、それぞれの市場のメーンカテゴリーの動向によって成否を分けた形となっている。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点