飲料系飲料サントリー、欲望の肯定など人間くささに焦点を当てた炭酸飲料の新ブランド創設 ストレス解消につながるギルティ消費に着目
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サントリー、欲望の肯定など人間くささに焦点を当てた炭酸飲料の新ブランド創設 ストレス解消につながるギルティ消費に着目

 サントリー食品インターナショナルは、後ろめたさを感じつつも、つい自分を甘やかしたいという欲望を肯定するといった人間くささに焦点を当てた炭酸飲料の新ブランド「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」を立ち上げ、3月24日に新発売する。

 中味は、サントリーの創味技術を駆使して開発された「甘濃く、やみつきになるおいしさ」を謳う炭酸飲料。
 開発にあたっては、ターゲットとする20-30代・若年層が炭酸飲料でストレス発散していることに着目にした。

左から、鈴鹿央士さん、佐藤晃世SBFジャパン常務執行役員、生田斗真さん、アントニーさん
左から、鈴鹿央士さん、佐藤晃世SBFジャパン常務執行役員、生田斗真さん、アントニーさん

 3月17日、発表した佐藤晃世SBFジャパン常務執行役員は「従来のコーラや果汁炭酸などの区分ではなく、ストレス発散というシーンで選ぶ提案となる。健康志向と対に見える潮流のど真ん中に新ブランドを発売する」と語る。

 「ノープ」を今年最大注力の新ブランドと位置付ける。
 「中期計画では1000万ケース規模を目指し、炭酸飲料市場を活性化したい」と意欲をのぞかせる。

 ストレス発散の提案に向けて「ペプシ」などの既存ブランドではなく新ブランドを立ち上げた狙いは、炭酸飲料カテゴリでのニュースの発信にある。

 炭酸飲料カテゴリは近年、ニュースの少なさなどから若年層を中心にユーザー離れが進み低迷しているという。

 SBFジャパンブランドマーケティング本部の大槻拓海氏は「炭酸飲料は特にロングセラーブランドが非常に多いカテゴリで、市場としてのニュースや新しい価値の投入がカテゴリ全体で少し遅れている。昔からご愛顧いただいている方はしっかり残っていただけている一方で、10代や20代のお客様が入りづらい」との見方を示す。

 「ノープ」は炭酸飲料カテゴリを活性化すべく、若者のストレス溶解ニーズやギルティ消費トレンドといった潮流を踏まえてマーケティング活動を展開していく。

 ストレスの溶解とは、若者でよくみられるストレスへの対処のあり方となる。
 「従来のように飲み会やカラオケなどでパーッと発散するだけでなく、動画配信サービスやフードデリバリーなどの充実により、お家にいながら沼に沈むように一人で好きなときにダラダラと好きなことをしてストレスを溶解する」と説明する。

 若者の間ではストレス社会が深刻化しているという。

 労働安全衛生調査結果を引き「コロナ禍を契機にストレスを感じる人の割合は大きく増加しており、特にそれを牽引しているのが20代・30代の若者。その要因として特徴的なのが、日中は職場、夜はSNSで常に世の中の誰かとつながっている状態であるがゆえに人付き合いに疲れてしまうという対人ストレスが大きい」と指摘する。

 ストレス溶解への対処法として浮上するギルティ消費にも着目する。

 「『ノープ』は、若者を中心に持っている『たまには欲望におぼれてしまう』といった人間くさい部分に焦点を当てた商品。このような切り口の商品は世の中にあまりないことから、共感いただけるといいなと思っている」と期待する。

 コミュニケーションは、欲望の肯定といった考え方を念頭に展開していく。

 「欲望を肯定するようなギルティフードやダラっとくつろげるソファーなどのコンテンツと積極的にコラボレーションしていきたい」という。

 生田斗真さん、鈴鹿央士さん、アントニーさんを起用したTVCMも3月21日から放映する。

 TVCMは、本能のままに人間らしく生きることを肯定する内容に仕立てられている。
 交通広告やSNSなども活用し「お客様が生活の導線のあらゆる場所で『ノープ』を目にするような環境を創出していきたい」と力を込める。

 「ノープ」のブランド名については「英語のNOをフランクに表現するときに使用される言葉で、現代人が抱える『こうあるべき』をカジュアルに否定しながら、時には欲望のままギルティな時間を過ごしてほしいという願いを込めた」と語る。

 パッケージは、炭酸飲料売場で見慣れない配色を意識しブラック&マゼンタを基調としたデザインで視認性を高め、背徳的な味わいを瞬時に伝えるブランドアイコンを採用した。

 「ブランドアイコンをいち早くお客様に知っていただき、親しみを持っていただくために飲料以外の領域、例えばファッションシーンでも積極的に接点を広げていくことを検討していく。少しカルチャー的なものも生み出していきたい」との考えを明らかにする。

 店頭活動ではクロスMDを積極的に提案していく。

 「ギルティ消費に近しいようなお惣菜を持たれているチェーン店さまなどと組んで、飲料棚以外の棚にも出ていって売場を広げていく」と述べる。

 中味について、開発を担当したSBFジャパン商品開発部の竹下侑里氏は「サントリーの創味技術を駆使した『やみつきギルティ設計』をもとに自信を持って送り出す。とことん嗜好を追求した『ノープ』でストレスを溶かして心の健康をサポートしたい」と意欲を示す。

 骨格となるベースの味わいは、飲み応えと満足度を意識して糖度の指標であるBrix値を一般炭酸飲料のBrix値よりも高い13.3となるように設計。満足感の甘濃さと五味設計(甘味・酸味・塩味・苦味・旨味)で厚みのある味わいに仕立てた。

 その上に、完熟フルーツやスパイスなど99種類以上のフレーバーを掛け合わせて複層的な香りや味わいを打ち出した。仕上げでは、持続する香りの余韻が楽しめるように、同社独自ブレンドの「ギルティアロマオイル」を使用した。

 パーソナルの炭酸飲料の中では比較的大容量となる600mlサイズにもこだわった。自販機向けに340ml缶も取り揃える。

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