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流通・飲食外食三井物産流通グループ シコメルフードテックと提携 外食産業の人手不足解消へ

三井物産流通グループ シコメルフードテックと提携 外食産業の人手不足解消へ

 三井物産流通グループ(以下MRG)は、飲食店の仕込み工程の代行や食材調達を支援するシコメルフードテック(東京都渋谷区、以下シコメル)と資本業務提携を締結した。シコメルが発行する転換社債型新株予約権付社債を引き受ける。デジタルと物流の力を融合させることで、深刻な人手不足に直面する外食企業の課題解決と業務効率化を推進、持続的な成長を支えるインフラ構築を目指す。

 シコメルは2019年に創業。飲食店や外食企業の仕込みを外注化する経営サポートサービスを展開。飲食店のレシピに基づいたメニューを食品加工工場で商品化し、CKを持たない小規模事業者の仕込み作業や商品開発をサポートしている。

 MRGは広範な業務用食材販路と高度な物流ネットワークを有しており、両社の強みを組み合わせることで、「店舗の人手不足を補う仕組みを強化し、持続可能な外食産業の実現を目指す」。主な提携内容は次の通り。

1.サービス導入の促進
 三井物産流通グループの持つ販路を通じて、シコメルフードテックのプラットフォーム導入を促進する。多くの外食店舗および業務用フードサービス事業者へサービスを届けることで、業界全体の課題解決を加速させる。

2.安定供給体制の構築
 三井物産流通グループおよびパートナーである業務用食材卸各社の販路・物流網を通じ、シコメルフードテックが外食企業各社から受託生産する仕込み済食材を適時適量に供給することで、外食店舗の食材調達にかかる業務を軽減、在庫負担や調理工程におけるロス削減に貢献する。

3.店舗運営の生産性向上への貢献
 シコメルフードテックが提供する「レシピ翻訳」や「製造先マッチング」「受発注プラットフォーム」といったDXソリューションと、三井物産流通グループの販売網を連携させることで、より広範な地域において外食企業の業務の外部化・標準化を推進し、店舗運営の生産性向上と労働環境の改善を図る。

両社は「本提携を通じ、店舗スタッフの負担軽減や労働環境の改善(QOL向上)に寄与します。人手不足という構造的課題に正面から向き合い、外食産業が次世代にわたって持続可能な業界であり続けるための基盤づくりに貢献していきます」とコメントした。

左から三井物産流通グループ株式会社 執行役員 フード&パッケージングユニット 業務用食材本部長 崎浜敬氏、三井物産流通グループ株式会社 取締役専務執行役員 フード&パッケージングユニット長 松岡大志氏、株式会社シコメルフードテック 代表取締役社長 川本傑氏、株式会社シコメルフードテック 取締役CFO 室木達哉氏
左から三井物産流通グループ株式会社 執行役員 フード&パッケージングユニット 業務用食材本部長 崎浜敬氏、三井物産流通グループ株式会社 取締役専務執行役員 フード&パッケージングユニット長 松岡大志氏、株式会社シコメルフードテック 代表取締役社長 川本傑氏、株式会社シコメルフードテック 取締役CFO 室木達哉氏

■三井物産流通グループ株式会社 取締役専務執行役員 フード&パッケージングユニット長 松岡大志

 このたび、「仕込み革命」という革新的手法で外食業界の課題解決と社会的地位の向上に挑む、シコメルフードテックとの資本業務提携に至りました。

 外食企業各社は食材・労務費の上昇や人手不足といった構造的な課題に直面しています。当社は、旧小網商店の時代から、醤油に始まり酒類・食品へと取扱いを広げ、業界の皆さまと共に育ち、もうすぐ100年を迎えます。だからこそ今、これまでの延長線上ではない、業界の持続的な発展に貢献する、「新しい価値創造」が必要と痛感しています。

 シコメルフードテックの皆さまの取組みをメディアで拝見し、すぐにご連絡を差し上げたことから関係が始まりましたが、川本社長の真っすぐな情熱と使命感、社員の皆さまが真摯に価値を追求される姿に、志を一にするパートナーとして、共創の輪をさらに大きくできると確信しています。
 この提携を通じて、両社で外食業界の新しいスタンダードを創り上げる覚悟で、全力を尽くしてまいります。

■株式会社シコメルフードテック 代表取締役 川本傑

 このたび、三井物産流通グループの皆さまと資本業務提携という形でご一緒できることを、大変光栄に思っております。私が本提携に強い意義を感じた理由は、「人の三井」と称される同グループの、人を起点とした価値創造の姿勢と、食の未来に対する本気の覚悟に深く惚れ込んだからです。単なる資本関係にとどまらず、価値観を共有できるパートナーであると確信しています。

 現在の食の業界は、人手不足をはじめとする構造的課題を、もはや一社単独では解決できない段階に入っています。だからこそ、志を同じくする企業同士が連携し、業界全体として変革に挑むことが不可欠だと考えています。当社はこれまで、仕込み工程という外食の根幹領域に向き合い続けてきましたが、本提携によって、その取組みをより大きな社会価値へと進化させられると確信しています。三井物産流通グループの持つ流通・物流の力と、当社のソリューションを掛け合わせることで、フード産業がより持続可能で、次世代に誇れる産業へと進化する一助となれるよう、全力で取り組んでまいります。

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