全国的に厳しい寒さが続く中、食品業界の主要展示会が始まった。屋外では冷たい空気が広がる一方、会場内では春夏商戦を見据えた提案が本格化している。
▼新商品やメニュー、売場提案を通じて、各社の戦略が色濃く表れている。今年も多様な提案を打ち出しているが、全体を通じてとりわけ目立つのは、猛暑を見据えた企画の多さだ。実際、大阪では昨年6~9月の猛暑日は45回を記録し、20~23年対比で約2倍となった。
▼凍らせる麺つゆや冷製パスタなどの冷感訴求、さっぱりとした味設計、塩分・スタミナ補給といったキーワードが全面に押し出され、春は「短い通過点」として位置付けられているように映る。卸関係者は「従来の季節区分にとらわれない商品設計や訴求が必要」と話す。
▼近年の気候変動により春と秋は短縮され、長い夏と冬という「二季型構造」へと移行しつつある。極寒のなかで始まった猛暑対応の提案企画は、今後の商品開発や販促戦略において、季節の捉え方自体が転換期にあることを、象徴的に示しているように感じた。
