2025年の酪農乳業界は、需給構造の見直しと制度整備が動いた一年となった。最大の焦点は新たな「酪肉近代化基本方針」の策定だ。生産基盤の強化と需給調整のあり方を柱に、酪農経営の持続性を支える方向性が示された。乳価の引き上げも進み、生産意欲を下支えする動きとなった。
需給改善に向けては、Jミルクなど酪農乳業8団体が連携体制を強化。農林水産省と進める「牛乳でスマイルプロジェクト」を柱に、イベントや情報発信による需要喚起を再始動し消費低迷に歯止めをかける。消費者の節約志向を背景に、値頃感を意識した商品提案や販促の工夫も広がった。
カテゴリー別では、2024年度のアイス類売上高が5年連続で過去最高を更新。チーズの総消費量も5年ぶりに増加に転じた。乳業各社の工場再編も進み、効率化と競争力強化が加速。北海道でのバター製造開始100年や大阪・関西万博への出展など、業界の歩みや未来への取り組みを発信する動きも相次いだ。重大ニュースは次の通り。
①新たな酪肉近代化基本方針策定
②乳価値上げで酪農家の生産意欲喚起に期待
③需給改善に向けて新プロジェクト始動
④合理的な価格形成実現へ法整備進む
⑤北海道でバター製造開始から100年
⑥消費減退に対応し値頃感を工夫
⑦24年度アイス類売り上げ、5年連続で過去最高更新
⑧乳業各社の工場再編が加速
⑨24年度チーズ総消費量、5年ぶりに増加
⑩大阪・関西万博に乳業関連企業が出展
