キンレイは、冷凍具付き麺を主力に業績を拡大しているが、今後はヒト(=人的資本)への投資を強化する。近年は市場の旺盛なニーズに応えるため生産設備への投資を優先してきたが、白潟昌彦社長は「社員の成長があってこそ会社の成長が実現する。『いいものづくり』は『いい人づくりから』。従業員がもっと学べる機会を増やしていきたい」との考えだ。
主力品「お水がいらない」シリーズの販売好調を受け、2024年4月に亀山工場(三重県)が竣工した。「同ラーメン横綱」「同 横浜家系ラーメン」などの人気商品を製造。初年度は8時間稼働でスタートし、2年目の今期は12時間稼働に延長して増産を図っている。
白潟社長は「キンレイのさらなる成長は亀山工場にかかっている。需要動向を見ながらになるが、27年にも既存2工場(筑波工場、大阪工場)と同じ16時間稼働を目指し、将来的には空きスペースに1ライン増設する計画。現在は冷凍ラーメン専用の工場だが、冷凍うどんと両方を製造できる体制を整えたい」と展望する。
ただし「大切なのは人材が育つこと。地元採用のスタッフが多く、まだ現場での経験が浅い。社員教育を充実し、まずは夜間帯の製造を任せられるようにしたい」と話す。
具体的な教育内容は検討中だが、製麺担当は全国製麺協同組合連合会による「製めん通信講座」、スープ・具材など調理担当は「惣菜管理士」資格の取得支援、包装担当は機械メーカーを招へいしての講義などを想定。社員全般には社歴やスキルに応じてeラーニングシステムの活用を計画する。
白潟社長は「これからヒトへの投資を継続的に強化する。社員教育は体系化できれば。キンレイに入ったスタッフが様々な面で成長できるように後押ししていきたい」との想いを語った。
