精製糖トップのDM三井製糖はこのほど、11月4日出荷分から砂糖価格を8円(約3%相当)値下げすると特約店に通知した。国際粗糖相場の下落により砂糖の原料となる粗糖調達コストが低下。2018年7月以来、約7年ぶりの価格値下げとなる。
業務用は精製糖で1kg当たり8円(約3%相当)、ビート白糖で1kg当たり5円(約2%相当)値下げする。小袋製品は価格据え置きとした。今回の値下げが完全に浸透した場合、上白糖は1kg当たり241円~243円、グラニュー糖は244円~246円となる(価格は日経・東京市中卸値)。
主要生産国であるブラジルやインドにおける豊作予想などで、砂糖は国際的に需給緩和が見込まれる。粗糖価格の指標となるニューヨーク粗糖先物(期近)は、2024年9月に1ポンド23.71セントの高値をつけたあと下落傾向が続き、直近では16セント台の安値圏で推移している。
農林水産省が四半期ごとに定める輸入粗糖の売戻価格は、粗糖相場や為替の動向を踏まえ10~12月で1kg当たり3円90銭ほど引き下げられた。4~6月、7~9月に続き3四半期連続で計15円60銭ほど引き下げられており、今回の値上げはこうした原料調達コストの低下分を出荷価格に反映させた。
砂糖価格の値下げは、2018年7月以来約7年ぶり。その後は原料高や円安などを背景として2021年から2023年にかけて計8回・63円の値上げを実施。砂糖価格は歴史的な高値水準に達していた。
DM三井製糖は今回の値下げに関して「生産・物流に関わるコスト増加は続いている。ビート糖を取り巻く環境も引き続き厳しい状況だが、総合的に判断して今回の値下げを決定した」としている。