13.7 C
Tokyo
16.9 C
Osaka
2025 / 11 / 09 日曜日
English
トップニュース越後製菓 コメの品薄で餅・米飯部門が前期増収
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

越後製菓 コメの品薄で餅・米飯部門が前期増収

越後製菓は前期(3月期)、コメの品薄で餅部門(包装餅・鏡餅)と米飯部門が増収となった。餅部門の売上高は前年比2.2%増の100.5億円、米飯部門の売上高は8.9%増の34.6億円を記録した。

包装餅の前期売上高は、昨年8月の令和の米騒動と8月8日発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)による需要の高まりで8月と9月が好調となったほか、今年1月以降もコメ品薄の影響で3.1%増の伸びをみせた。

かたや、鏡餅の前期売上高は、鏡餅市場が食品ロス対策強化などによって縮小傾向にある中、岡田ひとみさん監修による干支飾り付き商品や小型箱物商品が売上に貢献して0.4%増を記録。

米飯部門では前期、令和の米騒動で需要が急増し主力商品の「日本のごはん」を一時休売。その後、生産体制を増強し、利便性を高める仕様に変更して販売を再開。コストアップを受け、12月には米飯全品の価格改定を実施して増収となった。

2部門の売上が拡大した一方、コメ品薄による高騰でコスト環境は悪化したとみられる。

9月2日、発表会に臨んだ星野一郎会長は「お米の価格が(60キロ)3万6000円と4万円近くになり、餅と米飯は値上げせざるを得ず、米菓については、うるち米・もち米で国産100%の使用を標榜している当社としては逃げ場がない。このような環境で商売をしていくしかない」との考えを明らかにする。

米菓部門の前期売上高、商品を集約して好調な「ふんわり名人」に生産を集中させたことで7.1%減の64億3000万円となり、これにより全社の前期売上高はほぼ横ばいの205億6000万円を記録した。

同社は来年、創業80周年の節目を迎える。吉原忠彦社長は以下に記した企業理念である越後製菓五訓に触れ「創業者・山﨑正氏が考えたもので、社員全員がこれを把握し、変化が激しいこの時代にこの五訓は非常に重要」と述べる。

一、社会に役立つ企業となるよう努めること
一、安心して食べられる食品を作ること
一、自然の摂理を尊び資源を大切にすること
一、何事も相手の立場でもの事を考えること
一、剛健質朴(質撲)の気風を養うこと

五訓を踏まえ、今後は健全経営、人材育成、ブランディング、素材本来の持ち味を生かす商品づくりに注力する。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点