味の素AGFは、コーヒー相場が高値で推移する逆風下で生活者・地域社会・地球環境に寄り添う商品や施策を展開していく。
8月19日、中澤正規常務執行役員は「先週初めにブラジルの主要産地で霜が降る霜害が発生し、大規模な霜害ではないが、発生以降、アラビカで1ポンド300セント割れていたのが330セントと高値に戻り、ロブスタも高値に戻り始め、相場の高値安定は今後も続くとみている」との見方を示す。
需給関係についても、外部データを引き「需要は今後も年率5%程度の成長が見込まれ、非常に購買環境は厳しい状況が続くと我々としては推察している」と述べる。
AGFはこうした厳しい環境に向き合いながら生活者の心の健康などに貢献すべくマーケティング活動を展開していく。
「(メッセージ付きスティックなどで)身近な小さな幸せというものをより多くの方に体験していただけるような状況を作っていきたい。施策の柱は大きく3つあり、1つ目としては一粒のコーヒー豆を最大限活用すべく濃縮やパウダーに力点を置く。2つ目は、エモーショナルな施策と機能価値を付与することで一杯の価値を高めることを推進。3つ目はノンコーヒーを含めたバリエーションの展開で生活者の満足度・充実度の向上させていく」と語る。

ブランドとしては、この秋冬に向けて「ちょっと贅沢な珈琲店」に注力して好調な勢いを加速させる。
伊藤英郎執行役員は「下期(3月期)は『ちょっと贅沢な珈琲店』のブランド力強化に努めていきたい」と意欲をのぞかせる。
「ちょっと贅沢な珈琲店」の2024年販売金額は2019年比で約2倍。2006年の販売開始からの累計販売杯数は119億杯に達した。
ブランド力も高まり「味わいといったファンクショナルな要素だけではなくエモーショナルな要素も非常に高くご評価いただいている」という。