六甲バターは秋冬新製品として、9月1日からベビーチーズ1品とチーズデザート2品の計3品を発売した。乳製品市場全体の消費が鈍化する中、価格競争によらず独自の価値を訴求して需要を喚起する。主力チーズの強化・再編に加え、海外展開や植物性チーズも中長期の成長の柱に見据える。
主力のベビーチーズは上期(1~6月)、金額ベースで前年同期比5%減と伸び悩んだ。一方で、鉄分やカルシウム入りなど健康志向型や、ゴルゴンゾーラなどプレミアムタイプは底堅く推移した。斎藤保典取締役常務執行役員営業本部長は「定番品は4月の価格改定やPBなど低価格帯との差で苦戦したが、健康志向や付加価値商品は支持された」とし、ブランド全体で価値訴求を一層強める方針を示した。
9月1日発売の「QBBプレミアムベビーチーズ クリーミークリームチーズ」(54g、税別278円)は、原料チーズ分中にクリームチーズ80%以上、うち北海道産15%を配合した濃厚な味わいが特長。発売に合わせ、抽選で1万人に300円相当を還元するキャンペーンも実施する。

チーズデザートでは「ひとくちチーズデザート シャインマスカット」(40g、税別290円)を投入。果汁感のあるソースをクリームチーズ生地で包み込み、もっちりとした食感を実現した。「QBBチーズデザート6P キャラメルナッツショコラ」(90g、税別380円)は、生チョコのようなくちどけと糖質44%オフを両立し、健康志向層の需要を狙う。
塚本浩康社長は「チーズデザートは、チーズ売場だけでなくデザート売場でも展開できる。売場の広がり次第では国内市場もさらに動き出せる」と期待感を示す。
国内需要の掘り起こしとともに、海外と植物性を成長ドライバーに見据える。上期のNB輸出は上期38%増と好調で、特にアジア圏で「QBBチーズデザート6P」シリーズが伸長。ベトナムに現地法人を設立し、将来的には同シリーズの現地製造も視野に入れる。大阪・関西万博では、串カツやカレー、パフェなどのオール植物性メニューを展開し、累計18万食を提供。来場者アンケートでは味や満足度が高く、海外客や若年層からも支持を得た。中尾真範事業開発部長は「未来社会の実験場で、植物性食品への認識を大きく変えられた」と手応えを語った。