お酒×VTuber 推しの名シーンを切り抜きラベルで 新たな飲み手との出会いに

推しのVTuberとお酒を楽しんだ後は、一升びんとともに喜怒哀楽の想い出に浸る――。

そんな時間を体感できるのがVTuberのオリジナルラベルをデザインした「切り抜き酒」だ。これまでゆず酒、梅酒、みかん酒など第16弾まで展開。プロデュースするのはVTuberをはじめバーチャルキャラクターを使ったプロモーション支援を手がけるuyet社(ユエット)。20~30代を中心に売れ行きは上々で、新たな飲み手との出会いを生んでいる。

想い出はビッグな一升瓶

VTuber(ブイチューバー)はバーチャルユーチューバーの略称。YouTubeなどの動画投稿サイトをはじめ様々な配信プラットフォームで活動する。

「切り抜き酒」は2024年2月の第1弾商品を皮切りに、福井酒造(愛知)、世界一統(和歌山)の2酒蔵と組んで商品化してきた。販売はVTuberが生配信の食レポを通じて行う。熱心なファンと直接コミュニケーションをとりながら、お酒の魅力をアピールすることがポイントだ。

最新の第16弾は世界一統の「和歌のめぐみ 有田のみかん酒」(1800㎖)で実施。もともとは筆文字の商品名とみかんを載せた硬派なイメージのラベルだが、かわいらしいVTuberを全面にあしらったオリジナルラベルに様変わりする。イラストは配信の中で印象的な名シーンを採用。ファンが商品を眺めながら“推し”に感情移入したり、想い出に浸ったりできるようにした。販売プランはお酒のみで税込5980円、お酒とおつまみ4種のセットで同7490円など。

「切り抜き酒」はあえてビッグで重量感ある一升びん(1800㎖)に限定した。取り扱いやすい小びん(720㎖・300㎖など)も選択肢にあったが、迫力あるラベルの“映え”を優先した。ユーザーのSNS投稿からは飲んだ後も観賞用や部屋のオブジェとして楽しむ様子がうかがえる。

uyet社は全国各地の魅力的な食品やお酒を紹介する「バーチャル物産展」をオンライン上で展開する。「若い世代に人気のVTuberを通じて国内の知られざる商品を広くアピールしていきたい」(同社)と話す。

全国各地の食品やお酒を紹介
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