物流問題解決へ自動運転トラック実証 27年から無人化にも着手 酒類大手4社

酒類・飲料の大手グループ4社による、自動運転トラックを使った幹線輸送の実証がスタートする。

自動運転システムの開発を手掛ける「T2」との取り組み。同社が開発したトラックを用いて、各社の製品を関東~関西間の高速道路で往復輸送を実施。自動運転による輸送の有効性と具体的なオペレーションを検証する。

参加するのは各グループの物流子会社であるアサヒロジ、キリングループロジスティクス、サッポログループ物流、サントリーロジスティクスの4社。

「2024年問題でトラックドライバーの不足が深刻化。30年には30%以上の荷物が運べなくなることで、大きな経済損失が予測されている」。5日の会見で、T2の森本成城社長が背景を説明した。

「酒類・飲料業界は他に比べて輸送量やトラックの数が多く、ドライバーの確保が困難になる可能性がある。商品が消費者に届くのが遅れるリスクがあり、早急に持続可能な輸送体制を構築せねばならない」。

自動運転は、そのレベルに応じて0~5の段階に区分される。今回の実証は「レベル2」にあたり、高速道路の一部区間でドライバー監視のもと自動運転に切り替えて走行する。11月にかけて計16回(8往復)実施する予定だ。

さらに27年10月からは、無人による完全自動運転の「レベル4」に移行。現状では東京~大阪間で1人1日あたり片道のみの運行が限界だが、ドライバーの拘束時間や休憩を考慮する必要がないレベル4では1日での往復が可能となり、輸送能力は倍増する。これを32年には2000台規模に広げる計画だ。

「物流問題はそれぞれの課題の相関関係が強く、解決には商慣習を再構築する必要があるため時間がかかる。ただ自動運転に関しては、各業界がコンパクトにスピード感をもって取り組むことができるため有用性が高く、早期に効果を得られる」(サントリーロジスティクス  髙橋範州社長)。

4社の知見を集め、実証で課題を洗い出す。

株式会社アピ 植物性素材