飲料系飲料「アーモンド効果」チルド商品出荷停止期間に離れなかった顧客を基盤に再拡大図る 飲用層拡大へ新CMに松嶋菜々子さん起用
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「アーモンド効果」チルド商品出荷停止期間に離れなかった顧客を基盤に再拡大図る 飲用層拡大へ新CMに松嶋菜々子さん起用

 江崎グリコの「アーモンド効果」は、システムトラブルによるチルド商品出荷停止期間に離反しなかった顧客層を基盤に再拡大を図る。

 「アーモンド効果」の出荷停止期間は4月中旬から6月下旬。その間、競合商品や豆乳など他の植物性ミルクに流出してしまったユーザーが思いのほか少なかったという。

 5月2日、健康事業マーケティング部の川上雄太郎氏は「他の商品にスイッチしてしまう傾向は一定数見られたが、一番有難かったのは出荷停止期間、出荷を待ち望み単に購買を休止した層が想定していたよりも多かったということ。出荷停止はとても苦しい経験であったが、非常に勇気づけられた」と振り返る。

江崎グリコの川上雄太郎氏
江崎グリコの川上雄太郎氏

 このような気付きなどを受け、出荷を待ち望んでいた顧客に向けて“他のじゃ、ダメなんです。”の見出しが躍る新聞広告を8月に出稿したところ、間口(飲用層)拡大でも手応えを得る。

 「お客様から、新聞広告で初めて『アーモンド効果』を知ったというポジティブな声を多く頂戴し、TV広告とは異なる役割のメッセージを発信できる媒体として再認識した」という。

 今期(12月期)は、強固な顧客を基盤に間口拡大を強化する。

 「アーモンドミルクの飲用者は、積極的に新しいものを取り入れるアーリーアダプターが多く、その結果、健康意識が高い方向けの飲料というイメージがついてしまった。そうではなく、どなたでもどのタイミングでも飲んでいただけるような、スタンダート飲料にしていきたい」と意欲をのぞかせる。

 メイン購買層は40代以上の女性。開拓余地を見込むのは、性年代を問わず商品やブランドを認知しているものの購買には至らない層。
 「アーモンドミルクは豆乳と比べて、認知しているものの、購入には至らない方がたくさん存在し、この部分をポテンシャルと捉えている」。

松嶋菜々子さんを起用した新TVCM
松嶋菜々子さんを起用した新TVCM

 スタンダード飲料として、日常生活に溶け込むシーンを訴求すべく、松嶋菜々子さんを起用した新TVCMなどのコミュニケーションを3月から展開している。

 新コミュニケーションは“すこやかな毎日には、かなわない。”をキャッチコピーに掲げ、起床後、運動後、趣味の時間など、日常の様々な場面で「アーモンド効果」を取り入れる様子を描いている。

 新CMについて「“&アーモンド効果”のフレーズを連呼することによって、どなたでも、どんなシーンでも飲んでいただける飲料であることを表現した。性年代でターゲティングするというよりも、いつまでも若々しくありたいというマインドを持つ全ての人に寄り添う飲料として訴求している」と説明する。

 コミュニケーションの反響は大きく、SNSへの投稿数やHPの訪問者数が過去最大になっているという。今後は店頭でのPOPの活用や、SNS・オフラインでのキャンペーンも予定する。

 間口拡大に向け、購入への明確な理由を示し購入へのハードルを下げる活動も視野に入れる。

 「ブランドを知ってくださっているのに、なぜ買ってくださらないかを分析すると“明確な理由がない”が一番上にくる。それは“いつ飲んだらよいのか分からない”“どんな目的で飲んだらよいかわからない”とほぼ同義で、生活シーンの中で、いつ・どんな目的で飲むのかをある程度想定できる提案が必要だと考えている」。

 配荷状況は、昨年10月頃には出荷停止前の水準に回復した。

 商品は、「オリジナル」「砂糖不使用」「3種のナッツ」の200mlサイズがトライアルの柱。
 販売動向は、旗艦アイテムの「オリジナル」は堅調に推移し「砂糖不使用」と「3種のナッツ」が伸び盛りとなっている。

 「多少の買い回りは見られるが、それぞれに固定のユーザーがついてリピートされているようだ。『砂糖不使用』は避糖化の動きや、料理などにも使いやすい汎用性によって選ばれており、飲用杯数が伸びている。『3種のナッツ』は、くるみとヘーゼルナッツも入っているというお得感、鉄分を含んでいる点が好評。特にCVSチャネルでは、手軽な栄養チャージを目的に、『オリジナル』と同等かそれ以上に選ばれる傾向がみられる」と語る。

 今後は「香ばしコーヒー」「ほろ苦キャラメル味」「薫るカカオ」などのフレーバー品の配荷を増やし、消費者が店頭でフレーバーを自由に選択できる売場づくりに取り組む。

 200mlでトライアル獲得後は、1Lタイプへのシフトを促しヘビーユーザー化を図る。そのための料理などに活用する汎用性訴求として近年注力しているのが、コーヒーの割材提案。

 「そのまま飲むだけでなく、コーヒーの割材として利用されているお客様も多く、その拡大に注力している。今年も、アーモンドミルクと相性の良いコーヒーやシリアルへの活用を提案していく」との考えを明らかにする。

 店頭では、グッドモーニングにかけた「グッドアーモニング」というオリジナルロゴを活用し、朝食シーンでの利用による習慣化を目指す。

 今後の植物性ミルク市場については、「欧米の流れから見ても、スタンダード飲料化の過程の段階にある」との見立ての下、さらなる広がりを見込む。

 新商品の発売などで植物性ミルク市場全体が活性化する中、アーモンドミルク市場はさらに伸びると予想。

 アーモンドミルク研究会の調べによると、2024年のアーモンドミルク市場の販売金額は142億円、販売量は2.4万kL。
 川上氏は「アーモンドミルクの認知は豆乳と同等程度になっている。まだ試したことがないという方にポテンシャルがあるため、生活の中で想起する接点を増やし、アーモンドミルクや『アーモンド効果』の存在感を高めていく」と力を込める。

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