流通・飲食国分九州 前期は増収増益で着 地域に根差す展開が強み
カナエ モノマテリアルパッケージ

国分九州 前期は増収増益で着 地域に根差す展開が強み

国分九州は4月8日、福岡市のホテルオークラ福岡で2025年度国分九州方針説明会を開催した。今井博臣社長執行役員が九州エリアの経営方針について次の通り説明した。

  ◇  ◇

2024年度の国分九州の実績について、売上高は2.7%増の1432億5300万円、経常利益は8.3%増の9億8300万円の増収増益で着地した。

カテゴリー別売上高構成比は加工食品47.5%、酒類37.3%、チルド・冷食・冷菓11.3%、その他3.9%。加工食品、冷食、酒類・ビール類でDSやDgS、ECビジネス、フードサービス、業務用酒販業態で売上が伸長した。生鮮カテゴリーは169%の進捗で特に青果部門137%、水産部門382%と大幅に売上を伸ばした。

経営結果におけるポイントとして▽既存得意先の売上不振▽ネット購買者増加に伴うECビジネスの拡大▽物流費や人件費の高騰▽九州エリア小売業態の流通再編▽業務集約や移管に伴うコスト削減、従来の業務の見直しや効率化、AI活用による業務改革の推進▽昨年立ち上げた地域共創課を軸とした新たな共創圏パートナーとの取り組みなどが挙げられる。

今年度は経常利益12億3200万円が目標。基本方針では▽地方小売業に対する商品や企画などの付加価値提案やドライバー不足への対応、広域化が進む業態に対してセンターフィーを引き下げるなどの物流費抑制に重きを置く。また九州のエリア商品やPB商品、留め型商品の開発を推し進める。企画・分析提案では福岡以外の拠点でも商圏や人流調査、売場提案や52週の販促カレンダーの提供をはじめ、他エリアへの情報提供など地域と連携した得意先の課題解決の実現を目指す。

新規カテゴリーへのチャレンジとして冷食ではグループ企業ナックスとの協業を通じた情報共有と売場拡大を行う。塩干ではチルド売場での展開に注力。市乳では夏場の品質低下を解決すべく、北海道産商品の拡大を図る。フロチルでは九州未上陸商品の販路拡大と供給量アップ、青果ではSMの人手不足を受けて流通加工センターを立ち上げて袋詰めから納品までの仕組みを構築する。水産では営業スタッフを増員して販売体制を強化する。

戦略ルート政策では外食ユーザー、原料、給食・介護、中食デリカ4ルートの強化を継続。原料では既存得意先であるメーカー各社の深耕と新規開拓に力を入れる。中食デリカでは新たな得意先との取り組みをスタートする。物流政策として宮崎センターの移転、大分支店の運用見直しを行う。さらに低温幹線流通網、ドライバーや庫内作業員の不足軽減に向けた他ベンダーとの共配や小売業各社への物流提案、荷待ち時間、労務費交渉などの法規制対応に努める。

その具体的な施策として▽路線便で配送する商品について九州・四国・関西エリアをつなぐ幹線物流を活用する▽得意先の納品後にメーカー各拠点で商品を受け取り共配する▽倉庫保管サービスでは九州エリアの出荷先に向けた在庫保管やピッキング、配送業務を手掛ける▽流通加工サービスではフロチルの印字作業やギフトのアソートの詰め合わせ業務を請け負う。

値上対応・業務改善では値上商品の確実な実行、拠点再編や業務集約に伴う発注人員や在庫コスト、営業業務での重複コストおよびDX推進による残業代などの削減につなげる。

地域共創策では▽自治体と行っている福岡市内産野菜のブランド化やビジネスツアー、青果販売の実証実験を継続▽地域連携の取り組みでは長崎県の五島手延べうどんの販売を推進▽サステナビリティへの取り組みではアップサイクルを活用した商品開発に着手する。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。