JF福島漁連(福島県漁業協同組合連合会)は22日、築地魚河岸 魚河岸テラス(東京都中央区)で福島県地もの魚(常盤もの)の試食会「福島県漁業の今と試食会」を開催した。
試食会では、普段食す機会が少ない、アンコウやメヒカリなどの珍味の他、脂の乗ったアジの塩焼きが振舞われた。参加者からは「近年美味しいと感じることが少なくなったが、こんな脂ノリのよいアジを食べたのは久しぶり」との声もあがっていた。
同漁連の鈴木哲二専務理事は、近年最も脂のノリ具合の良い11月から1月あたりの漁獲量がほとんどなくなっていると説明。「常盤ものの味の素晴らしさをできるだけ多くの方々に知っていただく機会となればと、上物を選んで持ち込んだ」と来場者の反応を喜んでいた。

提供された上物のアジは、地元、市中ともになかなか出回らないが「一部の食品スーパーや築地の卸には可能な限り卸すようにしている」(同)。
福島県内の漁業は以前の4-5割程度まで回復したが、温暖化などの影響もあり漁獲量はまだ少ない。現在はトロール漁船での収量がもっとも安定しているが、獲れる魚種は海水温の上昇に伴い変化してきている。
当日、会場は行列ができる大盛況となり「常盤もの」の認知が深まった。さまざまな苦難を乗り越えてきた福島県や東北漁業のさらなる復興が望まれる。
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