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飲料系酒類サントリーHD 新社長に鳥井氏 日本初の“真”の世界的企業目指す 酒類は脱・日米依存、飲料は世界同一品
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サントリーHD 新社長に鳥井氏 日本初の“真”の世界的企業目指す 酒類は脱・日米依存、飲料は世界同一品

サントリーホールディングス(HD)は12日、トップ交代人事を発表し、新浪剛史現社長の会長就任と、鳥井信宏現副社長の社長昇格を内定した。佐治信忠会長は取締役会議長(会長兼任)に就く。来年3月開催の定時株主総会で正式就任する。

社長交代は2014年以来、約10年ぶり。創業家が再び経営を担うが、社長が創業家に戻ることに対して新浪氏は、「創業家に戻ることは(社長交代の)早道だが、だからと言って社長(業)はそんなに甘くはない」とキッパリ。それよりも今年がHD社長就任10年目の節目でもあると同時に、「大きな買収を乗りきるための組織力と人材が育ったこと、経験と酒類事業で着実に業績を上げたこと」を推薦理由にあげ、鳥井氏は「新たな時代をつくるリーダーだ」と称える。

新浪氏は今後、海外事業を中心に、「消費財メーカーでは日本初の真のグローバルカンパニーという共通目標を胸に、新社長と二人三脚でグループを更なる高みに引き上げる」と語った。

鳥井氏は初心表明の中で、「サントリーグループが真のグローバル企業として、世界の名だたるグローバルメジャーと伍して行くうえの必須条件は、国内酒類事業の盤石化と売上収益の向上、収益力強化をより確実で、圧倒的なものにすること」と話す。

具体的な国内事業は、後日、改めて方針を発表するが、若者の酒離れが進む中、「競合と競いあわず、お酒の文化の火を消さないこと。お酒のサステナビリティが大事」と指摘。グローバル化は、酒類は日米依存型の構図が現状の中、「他の国にも拡げるかが課題」。飲料は「海外比率が半分を超えるが、酒類と比較するとローカルブランドが多い。世界で同じブランドを売った方が効率的なので、これから模索する」と言う。ただし「私はグローバルの言葉は嫌いだ」とし、既に飲料の半分以上は海外売上。グループ売上高でも海外比率(23年)は49.7%、24年上期は51%と、「数字的には既にグローバル化している」。よりグローバル化するため「どこにでもサントリーの製品がある状態にし、時間をかけて達成する」と語り、「『やってみなはれ』『利益三分主義』の創業精神を絶やすことなく、この想いのもとで二人三脚により力強く率いたい」

鳥井信宏氏はサントリーホールディングス創業者・鳥井家本家の鳥井信一郎の長男で鳥井信治郎の曾孫。銀行員としてスタートし、最初の10年は酒類営業、その後「プレミアムモルツ」の戦略部長としてデフレ下でのプレミアム市場の拡大に挑戦。2008年には初めてビールシェアが3位になり「印象深く記憶している」。08年に海外展開の加速を目的にM&Aを担う戦略開発本部の本部長に就任し、オセアニアとヨーロッパの飲料会社をグループ化。11年にサントリー食品インターナショナルを設立し、初代社長として13年にはグループで初めて東証1部に上場を果たした。

新浪氏からみた鳥井氏は「ねばり強い、人の話しをよく聞く、決めたら実行する、製品に対して根っこはすごく優しい」と評価。本人は「しつこさが足りない、やんちゃに楽しみながら挑む」と言う。

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