日本加工食品卸協会・関東支部はこのほど、都内ホテルで経営実務者研修会を開催した。
あいさつした服部真也副会長兼関東支部長(日本アクセス社長)は、「食品流通業界は人流回復や値上げによる収益改善もあり、ここまで比較的堅調に推移してきたが、消費環境の行方や人件費、物流費の上昇など、先行き不透明な状況にある」としたうえで、中間流通業として新たな需要の創出を図るとともに、「持続可能なサプライチェーンの構築に向けて、製配販3層が連携して取り組みを進めていく」と語った。
続いて、時岡肯平専務理事が日食協の活動報告および「加工食品サプライチェーンの現状」について説明。製配販3層が連携し、納品条件の見直しや荷待ち時間の削減に取り組むとともに、サプライチェーン全体をつなぐデータ基盤の構築に向けて、メーカー・卸間の次世代標準EDIや事業所マスタの整備、事前出荷情報(ASN)の運用について検討が進んでいることを報告した。
また、日食協が推進する新たな業界標準システム「N―Sikle(エヌ・サイクル)」のサービス開始について報告。同サービスは、メーカー・卸間における商品情報伝達の連携強化と効率化推進を目的に開発。小売業ごとに異なるフォーマットへの対応を自動化することで、見積作成の業務負荷軽減につなげる。
続いてGS1ジャパンの森修子理事が「商品情報の共同利用に向けた取り組み」について講演。商品マスタ情報の重要性と運用ルールについて分かりやすく解説した。