不二製油グループ本社は佐賀市・佐賀大学・伊藤忠エネクスと共同で、22年5月からCO2を利用した大豆の育成研究プロジェクトに取り組んでいる。
この取り組みは、清掃工場で排出されるCO2を回収し、大豆に施肥することで大豆の育成促進とCO2の有効活用につなげるサステナブルなプロジェクト。23年度はCO2施肥による大豆の育成スピードと品質の向上、育成促進に適した品種の選定や栽培技術の開発について研究を進めてきた。
研究成果では、令和5年産の日本における大豆の平均収量169㎏/反(農水省作物統計)と比較し、1作当たり約3倍の結果を実現した(実験面積を一反当たりに換算したうえで全量収穫が前提)。研究結果は24年度の園芸学会秋季大会での発表を予定している。
これらの成果をふまえ、佐賀大学構内に設置していた実験施設に加えて、今年度からは九州電力の協力で同社保有の研究施設においても実用化を見据えた研究規模を拡大。今後より精緻な環境制御を施すことでさらなる収穫量の増加を目指した研究を進める。
将来的には佐賀市の清掃工場に設置済みの二酸化炭素分離回収装置で回収したCO2を利用する栽培システムを構築のうえ、大豆を栽培し、生育した大豆を不二製油グループの加工技術を用いたサステナブルな大豆製品として展開していく構想。産官学一体となって連携し長期的な取り組みを進める。