極洋の井上誠社長は、名古屋で開催された極洋会総会で、今期を起点とする新中期経営計画「Gear Up Kyokuyo 2027」(24~26年度)について説明した。
前中計では、今後の成長・発展の基礎作りとして事業面では食品部門、海外事業の強化を進めたが、新中計ではその土台をさらに強化・拡大。特に水産事業と海外事業の伸長に力を注ぐ構えで、「水産事業に関しては、魚に強い極洋を前面に打ち出していく」とした。
前中計「Build Up Platform 2024」最終年度となる24年3月期は、売上高2616億円、営業利益・経常利益88億円の減収増益で着地。利益については4年連続過去最高を更新した。
新中計の着地となる27年3月期には、売上高4000億円、営業・経常利益135億円を標榜。その初年度となる今期は売上高3000億円、営業・経常利益100億円を目標に据える。
水産事業では得意先との双方向取引拡大を進めるとともに、資源アクセスの強化や高度加工品の開発を推進。生鮮事業では鰹鮪事業部、寿司ネタを中心に取り扱う生食事業部、養殖関連を担当する資源開発部の3事業部それぞれの強みを生かした調達・加工・販売体制をさらに強化していく。
また食品事業では、食品メーカーとして自社工場製品を徹底的に拡販することで事業規模を拡大。自社工場製品の競争力に磨きをかけていくとともに消費者ニーズを的確に捉え、ターゲットが求める商品開発や地域商品の導入なども進めていく。
「売上高2616億円の会社が4000億円を目指すのは無謀ではないかという声もあるが、ここはトップダウンで野心的に取り組んでいく。今までの仕事の延長線上で昨対103~105%の伸びでは、3年後にやっと売上高3000億円、営業・経常利益100億円に達成する水準。極洋はそれを1年目でやっていこうと思っている」(井上社長)という。
「4000億円という目標に対し、どうやってそれを達成するのか。新しい得意先を作らなければならない。新しい業態を探さなくてはならない。仕入先はどうするのか。工場が足りないじゃないか。いろんなことを組織が、担当者が考えることで活性化していく。そして何より、これは極洋単体ではできない。皆さまのお力が必要となってくる」(同)と取引先・得意先に一層の連携強化を訴えた。