「ジョージア」ペットボトルコーヒーで競争激化するラテに集中 浜辺美波さんが美容室で髪色を変えるシーンにちなんだ施策も実施

 コカ・コーラシステムは秋冬、「ジョージア」ブランドで好調なペットボトル(PET)コーヒー「ジョージア THE ラテ」に集中してコミュニケーションを展開している。

 背景には、PETコーヒー市場ではラテが最大ボリュームを占め、競争が激化していることが挙げられる。

 同社の調べによると、PETコーヒーにおけるラテの市場は、ブラックコーヒーの約1.5倍。それに対して、PETコーヒーのラテの製品数はブラックコーヒーの約5倍もあり、消費者の選択肢が非常に多い状態になっている。

 取材に応じた日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部シニアブランドマネジャーは「昨年から今年にかけて、PETコーヒーのラテの製品数が増えてきている。フレーバーラテや新製品が増加するなかで、“このラテにはどのような価値があるか”をもっと伝えないと、消費者の方に届くのが難しくなっている」との見方を示す。

日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部シニアブランドマネジャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部シニアブランドマネジャー

 この見立ての下、「THE ラテ」を中心にした新コミュニケーションを展開してトライアル促進を強化する。

 秋のブランドメッセージは“ひと息ついたら、一歩踏み出したくなった。毎日って、けっこうドラマだ。”。
 「THE ラテ」「THE ブラック」のそれぞれの味わいを表現した新TVCMを9月2日から放映している。

 「営業活動や店頭活動も大事だが、コミュニケーションでも『THE ラテ』の価値を伝達し手に取っていただく。リピート率が上がっていることから、一度飲んでいただければもっとファンを増やせる」と期待を寄せる。

 新CMで浜辺美波さんが美容室で髪色を変えるシーンにちなみ、美容室「HAIR & MAKE EARTH」の全国100店舗でサンプリングも実施。対象店舗を利用した13歳以上の人に、「THE ラテ」「THE ブラック」を無料で9月2日から9月30日まで配布した。

浜辺美波さん - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
浜辺美波さん

 「THE」シリーズの若年層を中心とした間口(飲用層)拡大を目的に、9月2日には「THE キャラメルウィズバニラ」を新発売した。

 「若年層が最初にコーヒーを飲む取っ掛かりは、キャラメルマキアートなどのカフェメニューだと考えている。こういったフレーバーラテをPETコーヒーで出すことで、“普段は買わないけれどおいしそうだから手に取ってみよう”と、入口になってほしい」と期待を寄せる。

 今後もコアカテゴリに注力し、若年層を中心に新規ユーザーの獲得を目指す。

 「新しい需要の創出にもチャレンジするが、ファンの一番多いコア製品にフォーカスしていく。ブラックとラテに需要が集中してきているため、プロモーションも含めてコア製品群を強くする」と意欲をのぞかせる。

「ジョージア THE」シリーズの主力3品 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ジョージア THE」シリーズの主力3品

 同社は1-7月のコーヒー飲料市場について、数量ベースでは微減、金額ベースでは前年並みと推定。この中でPETコーヒー市場については「500ml帯の中型PETは好調が続いているものの、300ml以下の小型PETは減少している」とみている。

 「ジョージア」は、2023年に14年ぶりにブランドロゴを刷新するなど大規模なリニューアルを実施。今年5月から新CMを放映するなど、改めてブランドをアピールしたところ、リニューアル1年目の成長を超えてプラスで推移しているという。

 特にブランドを牽引しているのは、PETの「THE」シリーズ。

 「PETのブラックコーヒー市場が伸び続けていることに伴って『THE ブラック』も伸長している。SOT缶やボトル缶のブラックコーヒーは減少傾向にある中、“満足できる味なら、お得感のあるPETコーヒーを選ぶ”という消費者に支持されている」と振り返る。

 「THE ラテ」は、ユーザーの奥行き(一人当たりの飲用杯数)が拡大。

 「『THE ラテ』は、コーヒー好きのためのラテという独自のポジションを築いている。一人のユーザーの方の飲む量というのが非常に増えており、今年はリピート率が2ケタほどは上がり、リピーターがかなり増えている」という。

 「THE 微糖」は、リニューアルに伴い商談を強化したことで、取り扱いが増加して大きく成長した。

 「『THE 微糖』は定番の棚を取れてきたこともあり、リニューアルを機に採用していただけるお店が増えた」との見方を示す。