不二食品(大阪市)は利便性の高い個食汁や混ぜご飯の素を発売し、簡便ニーズを捉える。
9月に発売した個食タイプの「とろろ昆布汁」は、同社の主力商品である昆布茶の粉末技術を活用し、お湯を注ぐだけでとろろ昆布の風味ととろみが味わえるインスタントの吸い物。北海道産の真昆布、がごめ昆布を使用し国産志向にもアピールする。
藤井隆義社長は「とろろ昆布はご飯のお供だけではなくみそ汁やお吸い物にもよく利用されるが、とろろ昆布の入った個食のお吸い物が市場では販売されていないため開発に至った」と説明。個食の利便性を訴求しながら、共働き家庭や高齢者世帯、弁当のプラス1品など幅広い層をターゲットに据える。
「商談では、みそ汁やスープ以外の個食のお吸い物は『ありそうでなかった』と評価をいただいている」(藤井社長)。10袋入り、本体価格1千200円。
また、好調に推移する混ぜご飯のカテゴリーには「きのこおこわ風」を投入した。同シリーズは「生姜」「ごぼう」「鶏」などを揃え、混ぜるだけの簡便性が支持され伸長を続けている。子育て世帯では弁当やおにぎりに利用されることも多く、昨年は子どもが好む「とうもろこし」の混ぜご飯を発売し好評だった。
今回の「きのこおこわ風」はもちが入っているため、炊いたご飯(2合)に混ぜればもち米を使わなくても、もちもち食感のおこわ風に仕上がる。鰹節と昆布のだしに舞茸、ひらたけ、椎茸の3種の国産きのこが入る。
藤井社長は「簡便な混ぜご飯の商品は伸びている。今後さらにニーズが高まるとみており、このカテゴリーを強化したい」としている。124g、同450円。