9.8 C
Tokyo
10.9 C
Osaka
2026 / 02 / 06 金曜日
ログイン
English
トップニュース低温流通の日本酒 大手卸が注力、縮小市場に新たな可能性

低温流通の日本酒 大手卸が注力、縮小市場に新たな可能性

大手食品卸が低温で流通する日本酒に力を入れている。冷凍機能を生かした希少性や小容量の利便性を訴求しながら新たな需要を掘り起こし、低迷する市場の活性化を図る。さらに、独自の商材で競合との差別化につなげる狙いもある。

伊藤忠食品は液体凍結による、「凍眠凍結酒」の販売を本格化。同社は5年前から「凍眠市場」ブランドで生鮮食材を使ったギフトを中心に冷凍品を展開しており、初年度の1千セットから今年度は1万5千セットの販売を目標にする。

この「凍眠」の冷凍技術を生かし、「酒蔵でしか飲めなかったお酒に焦点を当てて商品化」(リテール本部・星利夫本部長)したのが「凍眠凍結酒」だ。「今までになかった価値を加えて販売し、日本酒全体の流通量を上げる」(同)と意気込む。

量販店では冷食コーナーにも広がり、誌面で商品特徴を伝えられる生協の共同購入などでも評価を得ている。さらに、百貨店の催事やECサイト、外食へと販路を拡大し、将来的には輸出も視野に入れる。

大阪市の大正センターに凍結設備を導入し兵庫、京都、奈良にある6つの酒蔵の日本酒を急速冷凍する。生原酒や純米吟醸など、300㎖で参考価格は1千100~1千600円(税抜)。3本ずつが入った飲み比べセットも揃える。今年度は1万本の販売を計画しており、「早期に億単位の売上に持っていきたい」(星本部長)考えだ。

日本アクセスが発売する缶入りのチルド酒
日本アクセスが発売する缶入りのチルド酒

日本アクセスは強みである低温流通機能を活用した“チル酒”に、初の自社開発商品を投入する。清酒業界では初めてとなる要冷蔵の缶入り酒で、180㎖の飲み切りサイズ。日本酒を飲み慣れていない若い世代を意識し、低アルコールの微発泡、純米吟醸生原酒など3種類を発売する。参考売価は450~500円(税抜)。

業界では大手瓶メーカーの撤退や、輸出品の拡大に伴う回収不可分の増加などにより瓶が不足し、その状態は今後も続くとみられる。

同社では軽くて割れない扱いやすさ、リサイクル率の高さといった缶そのものの特徴に加え、小容量にすることで高価格品でも手に取りやすくなるなどのメリットを訴える。酒類MD部は「中身も最近のトレンドを意識した。店にもお客様にも扱いやすい。昔ながらの日本酒のイメージが強いワンカップの瓶から脱し、缶の可能性を広げたい」としている。

国分グループ本社は菊水酒造(高知県安芸市)と開発した、冷凍保存の「煌(きらら)菊水 ねむり姫」を販売している。純米吟醸の生酒とレモンなどの生リキュールを家庭用と業務用で展開。パウチ入りで150㎖(市販用のリキュールは130㎖)の飲み切りサイズ。市販用の希望小売価格は500円(税抜)。

国分西日本の中四国エリアでは料飲店など業務用を中心に導入が進み、売上高は前年比3倍と大きく伸びている。今後、秋冬に向けては「こたつでアイスを食べるような切り口で、鍋企画などにも提案したい」(マーケティング部)考えだ。

関連記事

インタビュー特集

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。