明治は、カマンベールチーズに含まれる脂質成分であるオレイン酸アミドの継続的な摂取が、日本人中高年の記憶力など認知機能の維持や睡眠改善に寄与する可能性があると明らかにした。
研究では、認知機能低下の自覚のある50歳以上75歳未満の日本人男女60人を対象とした研究を実施。一般的なカマンベールチーズのホールタイプ1個分の含有量に相当するオレイン酸アミド60㎎を含む試験食品か、全く含まないカプセル食品のいずれか1種類を12週間継続的に摂取し、認知機能や睡眠に与える効果を調べた。
その結果、オレイン酸アミドを含む試験食品の摂取後は摂取前に比べ認知機能と関連する血中成分であるBDNFの量が維持される傾向が見られたほか、睡眠状態の総合スコア・睡眠の質・入眠時間が有意に改善。オレイン酸アミドを含まないカプセル食品に比べ、短期記憶やワーキングメモリーの維持に有意な効果を示した。
研究成果の今後の活用について明治は「チーズに含まれる成分による認知機能維持の可能性を研究することで、健康寿命の延伸に貢献。認知症のリスク因子でもある睡眠状態改善の可能性を研究し、心身の健康維持と日々のパフォーマンスの向上に貢献していく」としている。
研究成果は3月27日に国際学術誌Frontiers in Nutritionにて論文掲載され、5月24~26日に開催した第78回日本栄養・食糧学会大会で発表された。