大阪市民一人当たりの負担額は2万7千円。開催まで残り11か月に迫った大阪・関西万博の費用は膨張を続けてきた。資材の高騰などで会場整備費は当初予算の倍に迫る2千300億円に。人件費も上昇しており、運営費は1千100億円を超えた。冒頭の金額は、大阪市議会で提示されたものだ。
▼昨年末にスタートしたチケット販売。目標枚数は2千300万枚だが、4月半ばの時点では約130万枚と遠く及ばない。期間限定や早割といった様々な特典もあるが、少々分かりにくい。
▼と、ここまでネガティブなことばかり挙げてきた。実際にメディアの報道を見ても後ろ向きの話が目につく。だが、見方を変えれば費用が増す分、お金は動くし、人の動きも活発になる。
▼開催期間中の半年間に見込まれる来場者数は、近くにあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン年間来場者数の約2倍という。最近、再び耳にするようになったオーバーツーリズムという言葉も頭をよぎるが、われわれの食品業界、なんだかんだ言っても大事なのは胃袋の数。人が集まってなんぼなのである。