4月1日から働き方改革関連法による時間外労働の規制強化が物流業界にも適用された。配送ドライバーの時間外労働の上限が年間960時間、1日の拘束時間では原則13時間以内に制限される。いわゆる「物流の2024年問題」である。
▼この問題では配送ドライバーの労働時間短縮の影響で運送業者は従来通りに荷受けや消費者ニーズに応えられなくなることが考えられる。必要な商品が必要な時間帯に届かないことによる様々な問題が懸念されている。
▼こうした状況を見据え小売業者側でも対応が求められるようになってきている。出荷受け入れ体制の見直し、荷待ち時間の減少をはじめとした業務効率化や労務改善など小売業者側が取り組むべき問題が山積している.
▼配送に必要な車両の絞り込みやドライバーの負荷軽減を図ることで、サプライチェーン全体のオペレーションを再構築するなど中長期な改革を進めていくことが必要となる。そのためには食品業界全体で対応策を検討しながらこれから生じる課題一つ一つにじっくりと向き合っていかなければならない。