コカ・コーラ自販機は、約48万台のスマホ自販機に対応するコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON(コークオン)」の機能拡充を通じて、障がい者への合理的配慮の提供と事前的改善措置を推進していく――。
日本コカ・コーラが3月25日開催した「コカ・コーラ自動販売機の合理的配慮の提供とアクセシビリティ改善に関する記者説明会」で冒頭の方向性が示された。
改正障害者差別解消法が4月1日施行され、民間の事業者も障害のある人の求めに応じて合理的な配慮を行うことが義務づけられることを受けた動き。
冒頭挨拶した田中美代子広報・渉外&サスティナビリティー推進本部副社長は記者説明会の趣旨について「4月から事業者による障がい者への合理的配慮の提供が義務化されるにあたり、コカ・コーラ自販機に焦点を当てた」と語る。
「Coke ON」にはキャッシュレス決済機能がある。これを活用すれば、購入ボタンを押すことや小銭の投入が困難な車椅子利用者もスマートフォン操作だけで購入可能となる。
「障がい者や車椅子利用者への取り組みを始めたきっかけはYouTubeにアップされたお客様の声。障がいをお持ちの方が『Coke ON』を利用して自販機で商品を購入されている動画を拝見し“これはもっと良くしていかなくてはいけない”と思い、今も改善を進めている」と語るのは宇川有人マーケティング本部IMX事業本部デジタルプラットフォーム部ディレクター。
近年強化した点については「自販機を見つけ出すところからの一連の流れをサポートすることでアクセシビリティ機能の拡充を図っている」と説明する。
2023年12月に文字の大きな「クイックメニュー」と自販機接続ガイドの触覚フィードバックを導入。後者は、スマホのバイブ振動と連動しバイブの振動パターンが変わることで近くにある自販機への誘導を図るものとなる。
4月8日からは、ミライロ社のデジタル障害者手帳「ミライロID」との連携を開始する。
「Coke ON」内の登録ページから「ミライロID」の認証を行うことで「Coke ON障がい者割引」の適用が受けられるようになる。
「ミライロID」についてミライロ社の垣内俊哉社長は「障害者手帳は283種類あり、それを1つにするという取り組みを行った。19年に新たなデジタルインフラを確立して“283を1にした”。鉄道・バス・タクシー・飛行機など様々な事業者で使えるようになっている」と胸を張る。
2月現在、「ミライロID」のユーザー数は30万人強、導入事業者は3925に上る。
日本コカ・コーラは今後も「ミライロID」ユーザーの声を反映させて「Coke ON」のアクセシビリティ機能を拡充していく。
4月下旬には音声によって自販機内の製品を選択できる機能の追加を予定する。