“安近短”で花見の予定者が増加 予算は前年並み 物価上昇の中「実質引き締め」の見方も インテージ調べ

 桜前線が北上する中、花見を予定する人は前年に比べて増加し、費用を切り詰めて実施する公算が大きい――。

 マーケティングリサーチ会社のインテージが実施した「お花見に関する意識調査」によりこのような見立てが浮き彫りになった。

 調査で花見を「予定している」「するかもしれない」と回答した人は、合計 34.5%と昨年より 3.2 ポイント増加した。同様の調査を開始したコロナ禍の2021年と比較すると、12.8ポイントの大幅増となる。

 予算は平均 6872 円で、昨年とほぼ同水準。「昨年同時期より物価が上昇している中での“予算変動なし”は、実質お花見予算の引き締めと言えるかもしれない」(インテージ)との見方を示す。

 花見の場所やシチュエーションからも、節約志向がうかがえた。

 予定している花見のタイプは、昼間に近場の桜が咲いている場所に行くという回答が73.1%と昨年を2.9ポイント上回った。
 次いで、昼間に近場の桜の名所に行くという回答が42.7%(前年42.2%)と、旅行やドライブで遠くまで花見に行くよりも近場で楽しむ傾向が読み取れた。

 インテージは「調査結果からは、予算が昨年とほぼ変動がない点と予定のお花見タイプから、遠出や宿泊は控えた“安近短(費用安く、距離近く、日程短い)”のお花見人気が見てとれた」とする。

 調査は2024年2月15日から19日に全国15-79歳の男女2500人を対象に実施された。

 なお3月6日の日本気象協会の発表によると、今年の桜は3月25日に東京都宇和島で満開となり、3月末までに九州から北陸の広い範囲で満開を迎える見込み。4月に入ると桜前線はさらに北上し、4月3日には新潟、13日には秋田、18日には青森で開花し、札幌では4月27日に開花すると予想される。