食の安全性とリテラシー

「フードリテラシー」の高い人ほど食事の質が高いことが東大の調査で分かった。リテラシーの高い人が普段から質の良い食事を意識して摂取していることはたやすくイメージできる。この研究は一般人を対象に、フードリテラシーと食事の質との関連を包括的かつ網羅的に検討した初の試みで、東大では今後の栄養教育のあり方などを考える上で重要な科学的根拠になるとしている。

▼世の中には栄養や健康に関する情報があふれている。中には事実誤認といえるような情報も少なくない。何かと話題になるのが食品添加物の安全性。

▼食品添加物は厚労省審議会で専門家が検討し、安全性は内閣府の食品安全委員会で科学的根拠に基づきリスク評価されている。添加物の濃度は上限値がシビアに設定されており、実際の摂取量は1日摂取許容量(ADI)を大きく下回る。

▼過去に重大な事故が発生したこともあり、生活者が添加物を不安がる心理は理解できる。一方で添加物により食品の安全性が確保されている点にも多くの人が目を向けられるような社会になることを期待したい。