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2025 / 11 / 06 木曜日
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加工食品菓子カルビー「堅あげポテト」の「日本を愉しむ」が第6弾で区切り 集大成で再現したのは戦後70余年姿を消していた幻の江戸味噌
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

カルビー「堅あげポテト」の「日本を愉しむ」が第6弾で区切り 集大成で再現したのは戦後70余年姿を消していた幻の江戸味噌

 カルビーが2021年10月に発足した「堅あげポテト」の「日本を愉しむ」プロジェクトは第6弾の「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」をもって区切りとする。

 同商品は3月18日から全国のコンビニ、25日からコンビニ以外で数量限定発売される。

 3月7日発表したマーケティング本部スナック2部堅あげポテトチームの福原椋太氏は、発足時から第6弾の開発に至るまで「今回が『日本を愉しむ』プロジェクト最後の商品。これまで、なかなかコラボが実現できないような企業様と組ませていただき、和や伝統をブランドとして大切にしていくべきとの気づきを得ている」と振り返る。

 同プロジェクトの集大成となる「幻の江戸味噌味」は、戦後70年余年姿を消していた江戸味噌の味わいを再現したもの。隠し味に、江戸時代、味噌に合わせられていたとされる、かつおだしや胡椒を使用している。

 同商品は、同プロジェクトのフードアドバイザーを務める三國清三シェフと日出味噌醸造元(東京都港区)が運営する東京江戸味噌がともに監修。三國シェフが東京江戸味噌に白羽の矢を立てた。

左からカルビー福原氏、三國シェフ(ソシエテミクニ代表)、日出味噌醸造元の河村社長
左からカルビー福原氏、三國シェフ(ソシエテミクニ代表)、日出味噌醸造元の河村社長

 日出味噌醸造元の河村浩之社長は「江戸味噌をよくぞ見つけていただいた。さすが三國シェフの嗅覚。情報も多く、お声がけをいただき、ぜ ひやりたいと思った」と語る。

 江戸味噌は、大豆とほぼ同量の米麹を使った甘口の赤味噌。雑味が少なく、甘みと旨みが感じられ、万能調味料として、江戸から現代に続く関東の食文化のベースとなっている。

 中身設計は、麹歩合11歩(大豆10に対して麹11)、塩分9%、熟成期間2週間、大豆処理は蒸熱(蒸し)。

 「赤味噌というとやさしい辛さの味噌を想像されるかもしれないが、他の味噌とは全く異なる作り方をしている。蒸した大豆とたっぷりの米麹を少なめの塩で高温加熱して約2週間かけてつくられたフレッシュな甘口味噌。江戸時代にフレッシュという概念はあまりないが、江戸は人口が多く味噌を保存させる必要はなかったことから調味料として一番いいい状態になっている」と河村社長は説明する。

江戸味噌
江戸味噌

 味噌独特の香りがなく高い汎用性を持ち合わせているのが特徴。

 「甘み・旨み・塩味のバランスがちょうど良く、他の調味料は必要ない。そのままで蕎麦つゆにもなる。鍋にしても何にしても江戸味噌を入れるだけで、甘みも旨みも塩味もちょうどいい具合になり、味噌の可能性を広げる役割を持った味噌」と胸を張る。

 米麹をたくさん使用する贅沢さゆえに戦時には製造禁止とされ、以来製造が途絶えていた。復刻したのは約10年前。河村社長が会社近隣の小学校から味噌の授業の依頼を受けたことがきっかけとなった。

 「たまたま味噌の技術書が出てきて、江戸味噌と書いてあるのを発見し、いろいろ調べたところ、本来の味噌はこれだと確信にいたった」という。

 橋渡し役を担った三國シェフは、ポテトチップス「幻の江戸味噌味」について「味噌の風味と厚みのある味わいにこだわりながら、数カ月にわたる試食と改良を経て納得のおいしさに仕上がった」とコメントする。

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