日経平均株価は4万円を超えたが、景気回復を実感している人は残念ながら少数にとどまる。雇用・所得環境は改善しているとされる。しかし、食品値上げを含む物価上昇の中で個人消費の先行きにはやはり不透明感が漂うと言わざるを得ない。
▼4月以降の賃上げの動きが気になる一方、食品業界に目を転じると、3月に入りスーパー店頭で春の新商品を目にする機会が増えた。例年同様、気温の上昇に伴い棚替えが本格化し、3月中旬以降、春の商戦が本番を迎える。そんな季節になりつつある。
▼食品関連の消費は二極化しているとされる。物価上昇が続き、節約ニーズが高まっている。この春以降、その傾向に拍車がかかる可能性もある。単なる価格だけでなく、コスパやタイパを含め、いかに値ごろ感を創出するかがテーマ。
▼その一方、こだわりニーズもある。プチ贅沢に加え、健康ニーズも高まっている。栄養課題に目を向けると塩分や糖質のほか、たんぱく質、食物繊維への関心も高まっている。健康価値を高めた商品で、いかに需要を創出するかもテーマの一つだ。