カゴメの山口聡社長は2日、第3次中期計画(2022~25年)における後半2年(24~25年)の方針を発表した。
国内事業は今年2月から価格改定した野菜飲料や食品の需要喚起を図り、国際事業は海外グループ会社の連携強化を図る。これらを通して2025年の定量目標として売上収益3千億円、事業利益240億円を見込んでいる。国内事業は利益の回復が最優先課題とし、売上成長の柱の育成や事業領域の拡張および収益構造改革を継続。成長領域として野菜スープ(+25億円)や植物性素材(+12億円)などに方向性を定め、チャネルではECを強化する。
国際事業は価格改定や外食需要の取り込みによる成長を加速、フードサービス企業への対応を強化する。その一環として昨年10月に従来の国際事業本部を「カゴメ・フード・インターナショナルカンパニー」(KFIC)社内カンパニー制に移行し、海外グループトータルでの戦略を策定した。これに伴いグループ各社CEOの新たな会議を設置し、機動的な経営の意思決定を行える体制に組織変更。カンパニープレジデントへ権限を大幅移譲した。
また、このほど連結子会社化したIngomar(米国)により加工用トマト栽培への関与を強め、グローバルに展開するフードサービス業態・食品製造業との取引拡大を支えるグローバルネットワークを強化する。同社の連結子会社化(出資持分20%→70%)は、カゴメにとって過去最大の投資額(約360億円)であり、シナジーの創出により国際事業の成長を加速させる。