ファミリーマートは、第3四半期(23年3月1日から11月30日)、全店平均日商が55万3千円に達し23年11月で27か月連続での前年超えを記録するなど勢いづいている。
足元の消費環境について、11日決算説明会に臨んだ細見研介社長は、「一部は軟調という状況だが、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行し、外出を楽しむといった消費意欲は旺盛」と期待をにじませる。初詣など昨年とは比べ物にならないほど多くの人出がみられたことにも触れ「一部ではテレワークも定着しているが、オフィスに戻る人の数も非常に多く、都市部の消費も非常に活発化している。しばらく消費の活発化は続くのではないか」との見方を示す。
全店平均日商は第3四半期、過去最高を記録した前期の53万4千円よりも1万9千円上回った。
この要因について、浦島宣哉取締役常務執行役員CSO(兼)経営企画本部長は「消費者に支持される商品作りや『ファミマル』などPBの拡販、キャンペーンやタイアップ企画に加え、店舗QSC(品質・サービス・清潔)の向上で人流回復や天候の後押しの機会をしっかり的確に捉えられた」と総括する。
既存店客数は11月で21か月連続での前年超えを記録。客数と日商が継続して伸長し加盟店の収益も順調に増加。
第3四半期業績は、営業収益が前年同期比10.7%増の約3千873億円、事業利益が29.5%増の約728億円。営業収益は、ファミリーマート単体のトップライン(売上収益)の伸長や広告事業が貢献。事業利益は、人件費やデジタル施策に伴う費用増があった半面、政府の電気代支援が9月以降も継続されたことが後押しとなった。
なお賃上げについて細見社長は「インフレがまだまだ進んでいることから、しっかりと進めていきたい。昨年と同等かそれ以上を考えている」との考えを明らかにする。