ヤヨイサンフーズの業務用冷食 学給・高齢者向けを深耕 食育に「かみかみメニュー」

業務用冷凍食品を展開するヤヨイサンフーズは、2024年春に向け、学校給食市場の深耕や高齢者向けのラインアップ拡充に取り組む。このほど開いた発表会の席上、溝口真人社長は「『価値の創造』と『感動と信頼の創出』を開発コンセプトに、調理現場で深刻化する人手不足や、ますます進行する高齢化社会など、市場環境の変化に応じた新商品を投入していく」など述べた。

1月1日から新商品・リニューアル品21品を順次発売中。重点施策には3つのテーマを掲げた。

(1)「学校給食市場の深耕」として、食育における「よく噛んで食べること」の習慣づくりに着目した「かみかみメニュー」を開発。水産素材を使った「海のおかず」シリーズで、噛みごたえと食べやすさも備えた「三陸産茎わかめカツ40/60(鉄・Ca)」「イカメンチカツ40/60(同)」を投入した。同社で噛みごたえを切り口にした商品展開は初めて。子どもが噛んで食べることを習慣化することで「あごの発育」「虫歯の予防」「肥満の予防」が期待できるという。

溝口真人社長(ヤヨイサンフーズ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
溝口真人社長(ヤヨイサンフーズ)

また学給で減塩ニーズが高まっており、「Salt Care」シリーズにラインアップを追加。塩分調整しながらおいしさ、アレルギー、栄養に配慮した「国産豚肉のメンチカツSC40/60(鉄・Ca)」「国産豚肉のコロッケSC40/60(同)」「星のコロッケSC50(同)」などを発売した。

(2)「高齢化社会に向けた取り組み」では、発売20周年を迎えるやわらか食「ソフリ」シリーズと、介護食の中で構成比の大きい軟菜食を強化する。「ソフリ」で「食パン風ムース45」を新発売。施設などでパンをやわらかくしたパン粥は提供されているが、調理に手間がかかる。そこで、簡便調理(自然解凍可、脱トレー包装など)でありながら、ムースでパンの風味が楽しめるやわらか食を提供する。噛む力が低下した人に向け、軟菜食の和菓子を充実させる。「やわらかみたらし団子」など既存品は40gから35gに変更して食べやすくし、新商品「しっとりやわらかクリーム大福35」を追加。

(3)「中食向け商品の拡充」として、どんぶりの具「どんぶり食堂」シリーズの第3弾「牛カルビ丼の具(黒マー油)」を発売。炙り焼きした牛肉に、黒マー油を使った焦がしニンニク風味のタレを絡めた。パック総菜向けに新商品「5品目具材入り豆腐つくね30」「いかキャベツカツ50」を投入。畜肉・水産物に豆腐や野菜を配合したメニューで健康志向の高まりに応える。