国内生産量の大半を占める栃木産干瓢。食生活の変化から来る需要減少や農家の高齢化もあり、80年代以降は生産縮小の一途だ。
栃木県干瓢商業協同組合が集計した今年の生産量は162.1t(前年比99.1%)と微減で着地。作付面積は81.9haと前年並みだった。毎年1~2割のペースで減産が続いたここ数年と比較すると、下げ止まりの気配もみえてきた。
ただピーク時には5千tを超えたことを考えれば、風前の灯火ともいえる水準であることに変わりはない。生産者数は184戸と、前年から10戸減った。高齢化と後継者難から農家の撤退が相次ぐなか、産地問屋が原料ユウガオの生産に乗り出したり、作業を農家と分担したりと、縮小に歯止めをかけるための努力が続く。
一方、国内供給量の約8割をまかなう中国の産地でも、人件費の高騰を背景により高収益の作物へのシフトが進み、作付の減少が続いている。
今年10月までの輸入量は前年同期比18%増と回復傾向。ここ数年は途絶えていたタイからの輸入も一部再開した。ただ輸入全体では10年前の半分以下の水準。国内産と合わせた供給量は30年前の3分の1以下にとどまり1千tの大台をかろうじて保っている状況だ。