緑茶飲料市場の販売金額が今年、過去最高を記録した。
伊藤園の調べによると、2023年の緑茶飲料市場販売金額は前年比5%増の4570億円となる見通しで、過去最高だった2005年の4470億円の記録を更新する。
2022年10月に各社が実施した価格改定や夏場の猛暑による需要増などが記録更新の要因となった。
12月5日、決算発表会に臨んだ伊藤園の本庄大介社長は、これらの要因に加えて健康志向の高まりを指摘する。
「緑茶飲料市場は今後も間違いなく堅調に伸長する。というのは、コロナ禍で生活者が本当に健康をより意識するようになったため。食べ物も飲み物も体によくないものはなるべく取り入れないようにしている」と語る。
緑茶飲料市場では、PBが節約志向に対応してNBのライトユーザーなどを取り込みながら勢力を伸ばしている模様。
このようなPBの攻勢も起こりながら、上期の伊藤園の手応えとしては健康志向に対応した機能性表示食品「お~いお茶 濃い茶」の成長やコンビニで発売している「お~いお茶」1Lサイズの夏場の好調を挙げる。
緑茶飲料市場で伊藤園の販売金額シェアは前年から1ポイント増えて36%となる見通し。
1Lサイズでは定価販売を維持するなど全体的に安売りを抑制して金額成長に貢献。
「以前は2Lサイズをよく安売りしていたが、コロナ禍以降、少し控えている。単なる安売りではなく、価値を伝えてお買い上げいただけるような努力をさらに続けていきたい」と意欲をのぞかせる。
冬場はホット展開にも期待を寄せる。ホット緑茶飲料市場の販売金額に占める伊藤園のシェアは22年9月から23年8月までの期間で前年同期比5ポイント増の64%。
9月4日に「お~いお茶 濃く香るほうじ茶 電子レンジ対応」(ホットPET500ml)をリニューアル発売して勢いを加速させる。
「お~いお茶」の今後の取り組みについては、国内外で味の統一を図る。「だんだん万国共通の味になっていく。日本のクオリティをもっともっと上げて、海外もそれに追いついてきてもらえるように頑張っていきたい」と述べる。