ハウス「オー・ザック」とサッポロ「こくいも」 関東~大阪で共同輸送 効率化へ積載率98%実現

サッポログループ物流とハウス食品は、トラックによる共同輸送を12月11日から開始する。

サッポロビールの甲乙混和焼酎「こくいも」などの酒類とハウス食品のスナック菓子「オー・ザック」をトラックに積み合わせ=写真、北関東~大阪間で輸送を行うもの。

重量物である酒類は、トラックの容積上限まで積み込むと重量がオーバーする。軽量なスナック菓子は、容積いっぱいに積み込んでも積載重量の上限に満たず無駄が発生してしまう。

サッポロビール群馬工場(群馬県太田市)とハウス食品関東工場(栃木県佐野市)を起点に、焼酎などとスナックを合わせて輸送することで、重量積載率約98%を実現。大幅に輸送効率を高めた。容積積載率も約13%向上。個別に輸送していた従来に比べ、CO2 排出量を年間約18t削減できる見込みだ。

激変する物流環境を見据えて中長期的な課題と対策を整理した「みらい物流」に基づきロジスティクス改革を進めてきたサッポロと、食品メーカーの垣根を超えた物流統合およびモーダルシフトなどの物流効率化を進めているハウス食品が、物流に関わる諸課題の解決に取り組むことで実現した。共同輸送の推進へ両社と運送会社にとって効率的かつ拘束時間を短縮できる運行計画を、サッポロとハウス食品、物流会社のF-LINEが立案している。

また両社では、特定荷主に貨物車両を貸切る「ブロックトレイン」を使用したラウンド輸送のテスト運行を実施。往路ではサッポロビール千葉工場から大阪物流センターへ輸送、復路ではハウス食品関西物流センターから埼玉配送センターへ輸送する。

輸送区間の多くを鉄道にモーダルシフトするとともに、トラックの空車回送区間をなくし輸送効率を高める取り組み。安全性や効率性を検証し、来春以降の定期運行化を目指す。物流2024年問題を見据えたドライバーファーストの取り組みや輸送モードの多様化を進め、持続的な物流体制構築を進める考えだ。