ジャパン・インフォレックス(JII)は11月14日、都内ホテルでユーザー会を開催。西田邦生社長がJIIの概況と今後の取り組みについて説明した。
西田社長は、JIIの役割について「メーカー卸共通の商品マスタ・データベースセンターとしての基盤を構築し、業界の標準化と合理化に貢献してきた。商品マスタの整備・充実を図るとともに、情報の整流化=シングルインプット化を進め、食品分野における情報基盤を担うインフラ企業を目指す」方針を強調。そのうえで、この10年間の歩みを振り返り「11年に46.5%だったメーカー登録のEDI化率は22年には62.2%まで上昇した。カテゴリー別では、ドライ・酒類・菓子類はEDI化率が8割に達しているが、チルド・冷食・生鮮は3割程度にとどまっている。しかしながら、小売業の専売品などの登録状況をふまえると加工食品分野のEDI化はほぼ進んできた」との認識を示した。
課題としては「食品業界の裾野が広い」ことを挙げ、中小零細メーカーが多く、食の多様性や地域性を支えている一方で、「デジタル化の推進という面では課題であり、19年の軽減税率導入時の区分登録や24年のPSTN終了時など、様々な対応が求められ、業界基盤のネットワークとしてコミュニケーション力を強化する必要がある」と語った。
新たな取り組みでは、今年10月からは卸・小売間のEDI移管促進に向けたEDIプラットフォーム事業がスタート。今後の取り組みとしては、日本最大の食品マスタのデータベースセンターとして網羅性・標準化・合理化・迅速性・正確性をさらに高めるとともに、業界共同ワークによるアップデート体制を強化。「日食協やPITS、GS1ジャパンとのさらなる連携を図るとともに、今後は小売業界や他業界との連携拡大を進め、産業全体のデジタル化に貢献していきたい」と意気込みを示した。