4年ぶりに制限のない名古屋まつりが10月21・22日に開催された。会場の一部では、東区、中区、中村区から9台の山車が勢揃いする「山車揃(だしぞろえ)」が久しぶりに行われ、多くの人で賑わった。
▼名古屋市内には30台の山車があり、市指定文化財となっている。古いもので延宝2年(1674年)に製作されたと伝わっており、修復を繰り返しながら受け継がれている。山車の中は10人程度が乗れるスペースがあり、笛や太鼓によるお囃子に加え、からくり人形の操作も子どもたちが担い、祭りの前は各所で子どもたちが練習に励んでいる。
▼ただ、昨今の人口減少による後継者不足はここでも影を落としている。祭りに参加した地域では昨今小学校区では子どもの参加者が集められず、他の地域から集めてなんとか続けているそうだ。
▼華やかなお囃子の影で伝統文化の継承の苦しさは、食品の生産者などと変わらず、企業でも人手不足の影響を受けている。物価高など多くの企業や消費者が先の見えない状況ではあるが、子どもたちが未来に期待を持てるよう神輿に担がれた方々には少子化対策、経済対策に褌を締め直してかかってもらいたい。