大豆ミートの一層の普及を目的に、国内における大豆ミート有力企業5社により「日本大豆ミート協会」が設立された。
2020年秋より、大豆ミート食品類のJAS制定へ中心的な役割を果たしたマルコメ、スターゼン、伊藤ハム米久ホールディングス、日本ハム、大塚食品の5社が協会設立に向けて準備を進め、22年2月24日にJAS化が実現。今年9月1日付で正式に設立され、初代会長にマルコメの青木時男社長、副会長にはスターゼンの横田和彦社長が就任した。事務局は東京都渋谷区渋谷。
協会は
①大豆ミート食品類の普及、認知拡大に関する事業
②各種関係機関、団体との連携、協調に関する事業
③大豆ミート食品類の製造・加工・品質・流通の研究、発展に関する事業等をはじめとする大豆ミート類の普及、発展につながる事業
を目的とし、規格の見直しや規格の国際化も検討。健康や技術に関する最新情報の提供や、使い方、食べ方レシピ提案、アンケート調査や大豆ミート検定など広報活動も計画している。また当面は5社でスタートしたが、今後は他社の加盟も促す。
このほど開催した記者会見で青木会長は、大豆ミートの関心の高まりについて「近年の健康志向の高まりや地球環境への負荷を減らす動き、ベジタリアンやヴィーガンへの注目の高まり、宗教的な理由による食事制限や食物アレルギーへの対応などから、世界的に植物由来の大豆ミートに対する関心が高まっている。生産過程においてCO2排出量など環境負荷が少なく地球にも優しいプラントベースフードとして、欧米を中心に市場が拡大。国内でも高タンパク、低脂質の食材として関心が高まり、20年頃から市場が形成されつつある」と指摘。これを機にさらなる市場発展を目指し、JAS化に関わった5社が中心となって協会を設立した。
理事に就任した大塚食品は「大豆ミートは、今年から市販用、業務用とも様々な形で種類が増えている。現状での市場規模は小さいが、増える人口と足りなくなるタンパク源の中で、たんぱく質を補う新たな食材として市場拡大を目指していく」(嶋裕之新規事業企画部部長)と説明した。