さんま、さんま、さんま苦いか塩つぱいか。10月に入ってようやくわが家の食卓にサンマが上った。かなり細身で、たいして大きくない長皿に頭から尾まで収まっている。買ってきた家内は申し訳なさそうな顔。値段を尋ねると1尾200円。この小ぶりなサンマが高いのか安いのか、即座に判断しかねた。
▼今年、豊洲市場へのサンマの初入荷は8月21日と去年より1か月以上も遅く、小型でほっそり。ご祝儀相場で1匹当たり2万5千円の過去最高値となり、庶民には手が出せない価格でスタートした。
▼9月に入ると水揚げ量が増え始め、豊洲市場への入荷量は昨年の3倍近くに。サイズも一回り大きくなった。店頭価格は去年より3割下がり、庶民にも買い求めやすくなった。不漁の予測から一転、鮮度の良いサンマが安定的に入荷している。
▼ただ専門家によると、水揚げは歴史的な最低水準となった前年に比べればましという状況で、かつての豊漁の時期と比べると不漁であることに変わりはない。いずれにせよ今秋は立派なサンマにお目にかかる機会がまだありそうだ。