UCCの紙容器アイスコーヒー「ゴールドスペシャル アイスコーヒー」高単価も好調 よりおいしいコーヒーを求める動き追い風に

UCC上島珈琲が3月から発売しているUCCの紙容器アイスコーヒー「ゴールドスペシャル アイスコーヒー」(無糖・甘さひかえめ)が好調に推移している。

取材を受けたUCC上島珈琲の油谷仁敬マーケティング本部飲料マーケティング部部長は「紙容器アイスコーヒーのマーケットの規模はまだ小さいものの伸長率が高い。当社では『ゴールドスペシャル アイスコーヒー』を中心に販売が拡大しており、引き続き棚を広げるべく提案強化していきたい」と意欲をのぞかせる。

「ゴールドスペシャル」シリーズの好調要因としては「レギュラーコーヒーで知名度の高い『ゴールドスペシャル』のブランド力で嗜好性を強調できた。加えて、白を基調としたパッケージが棚の中で目立ったことが奏功した」とみている。

油谷仁敬マーケティング本部飲料マーケティング部部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
油谷仁敬マーケティング本部飲料マーケティング部部長

上期(1-6月)については「春先の時点では、ボトルコーヒー市場で依然として価格競争が続く中、小売企業様に“高単価なコーヒーが売れる”説得材料に欠ける部分があったが、採用いただいた小売企業様で非常に回転がよく、実績を積ませていただく中で夏場のエンドやスポット展開という形で配荷がぐっと広まっていった」と振り返る。

コロナ禍によるおうち時間の増加で生活者がよりおいしいコーヒーを求めるようになった動きも追い風と捉える。

「家庭内でコーヒー豆を挽くところから楽しむ人や、レギュラーコーヒーをハンドドリップする人が増えるなど嗜好性の高まりを受けて、アイスコーヒーでも少しい良いものを飲んでみたいニーズが高まっている可能性がある」と分析する。

今後の展開については「上期の実績を受け、下期はより多くの店舗に採用される見通しとなっている。既に採用いただいている店舗には『上島珈琲店アイスコーヒー』も増やすかたちで売り込んでいきたい」と述べる。

この秋冬は、昨年立ち上げたプレミアムコーヒーブランド「GOLD SPECIAL PREMIUM」からもアイスコーヒーを投入する。

9月1日から「GOLD SPECIAL PREMIUM フルーティウェーブ」と「同 ナッツビート」を順次販売している。

「GOLD SPECIAL PREMIUM」のアイスコーヒーの位置づけについては「最もプレミアムなのが『上島珈琲店』で、『GOLD SPECIAL PREMIUM』は『ゴールドスペシャル』と『上島珈琲店の中間的立ち位置のブランドと設定している」と説明する。

「ゴールドスペシャル」シリーズは、「365日をスペシャルへ。」をメッセージとしたコミュニケーションを続けていく。

9月15日からは、対象商品を購入したレシートを撮影してWEBで応募できるキャンペーンも開催。「今後も広告などを活用しながら、売り場づくりでもアピールしていく」。

一方、「職人の珈琲」ボトルコーヒーは、夏場を中心に止渇ニーズに対応して伸びを見せた。

好調要因は「これまでは嗜好性と止渇性の両方を訴求していたが、この春にパッケージを変更し“スッキリごくごく飲める”という止渇性の方を強調する方向へ振った。パッケージとコミュニケーションを変えたことがプラスに働いた」と捉えている。

アイスコーヒー市場全般については「手に取りやすい価格帯で、止渇性で選ばれているボトルコーヒーと、やや高単価だが嗜好性の高い紙パックの二極化が進んでいる。どちらかが落ち込むこともなく、両方とも好調に推移している」との見方を示す。