味の素 千葉県「ちばパートナー」に登録 食育提案やフードロス削減で協働

味の素は、千葉県が推進する「ちばコラボレーションシップパートナー」に登録し、千葉市中央区の知事公舎で9月14日、千葉県の熊谷俊人知事から味の素執行理事の和田見大作東京支社長に登録証が渡された。当日は味の素冷凍食品の房宗信拡千葉工場長も出席した。

「ちばコラボレーションシップパートナー」とは、千葉県と登録企業が防災や健康、文化、福祉、環境保全などの多分野で横断的に連携し、先導的な取り組みを実施していこうというもので、当日は熊谷知事が味の素によって開発されたメニュー「ほうれん草とさつまいもの彩り汁」「白チャーハン」「さば缶黒アヒージョ」を試食した。

この中で熊谷知事は、「千葉県は今年で県政150周年を迎えたが、様々な複雑化する諸課題に対して行政だけで問題を解決することはできない。民間とコラボレーションを深め、官民の力を結集して今日的な課題に取り組むことが何よりの課題だ」とし、味の素の食や栄養に関する知識やノウハウの提供を求めた。

味の素は、千葉県との食育に関する各種提案として、6月と11月を食育月間において「“ちばの恵み”を取り入れたバランスのよい食生活」をテーマに、味の素グループの知見を生かした旬の県産野菜をはじめとする県の農産品をおいしく・たくさん食べられるメニューブックの作成や、県内で出店するスーパー店頭でのメニューブック配布などのほか、栄養バランスを重視した『勝ち飯』提案などを行っている。

登録に際して和田見支社長は、「今回、ちばコラボレーションシップパートナーに登録したが、登録に基づく一連の取り組みを『チバカツ』と総称し、今後はチバカツをベースに千葉県が推奨する黒アヒージョを、様々な流通ともタッグを組みながら普及促進する」と語った。

協働で開発したメニュー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
協働で開発したメニュー

11月のちば食育月間にあわせた、千葉県の旬の野菜がたっぷり取れる「ほうれん草とさつまいもの彩り汁」は、味の素の「丸鶏がらスープ」を使っており、ニンジンやかぶも入り、野菜摂取量が70g以上になるように設計されている。味の素冷凍食品の千葉工場で生産している「白チャーハン」は、独自の減塩技術により塩分を40%カット(自社製品比較)。塩少なめでもしっかりとした塩味、香り、うま味が感じられる。「さば缶黒アヒージョ」は、県内の農水産物を活用し、隠し味に醤油を加え、「ほんだし」を使い、さばのおいしさが引き立つメニューで、千葉県のご当地グルメとしてPRしている。

試食を終えて熊谷知事は「白チャーハンは、噛むごとにしっかりした味わいがあった。彩り汁は、塩分控えめなので高齢者にも食べてほしい健康メニューだ。さば缶黒アヒージョは、濃過ぎず、しっかり味もついている。アヒージョがサバと合うのは驚いた。千葉では銚子を中心にサバがたくさんとれるので、千葉県らしいメニューだと思う」など感想を述べ、「塩分を控えながらおいしさを保つのは難しいことだろうが、さすがに味の素だ」とたたえた。

同社はフードロス削減につながる活動として、今年度は千葉県立保健医療大学栄養科の学生と協働で取り組みも実施。「黒アヒージョは食品ロスを救う!」のコンセプトのもと、学生のアイデアにより家庭で余りがちな食材を使った黒アヒージョのレシピ開発などを行った。