6.8 C
Tokyo
10.6 C
Osaka
2025 / 12 / 20 土曜日
ログイン
English
加工食品菓子チョコに費やすお金がビスケットやアイスに流出 チョコから攻め入るロッテは岩塚製菓とカテゴリー越え提案

チョコに費やすお金がビスケットやアイスに流出 チョコから攻め入るロッテは岩塚製菓とカテゴリー越え提案

チョコレート市場の22年販売金額は前年比1%程度のマイナスで着地し、微減要因としてビスケットとアイスへの流出が浮上した。

7月5日、ロッテマーケティング本部ブランド戦略部チョコレート企画課の中村準氏はインテージSRI+を引き「チョコを買って下さるお客様の数は変わっていないが、チョコに費やす金額がコロナ禍の2020年をピークに少しずつ目減りしている」と指摘する。

購入金額の流出先としては、半生菓子・ビスケット・アイスを挙げる。

このうち半生菓子はチョコとのニーズの距離が近く常に流出入を繰り返しているとし、ビスケットとアイスへの流出を問題視。

「チョコへのニーズが高まる中で、チョコ以外のカテゴリーからもチョコを軸とした商品展開が物凄く増え、それらの商品への流出が散見された。これに対し当社は、チョコに求められているニーズを強化していくとともに、カテゴリーを超えた新たなチョコの提案が必要と考えている」と語る。

この考えのもと、ロッテは今期(3月期)、「ガーナ」などロングセラーブランドを軸足に健康意識・消費の二極化・サステナブル・推し活(コンテンツ)の4つ外部環境に対応していく。

この中で、カテゴリー越えの提案として、岩塚製菓と共同開発した「バリカタ職人シェアパック」を9月19日に新発売した。

これは米菓市場が拡大基調にあることと岩塚製菓が持つ米菓の開発・製造技術に着目した動きとなる。

米菓市場については「菓子の売上げランキングを見ていくと、米菓はチョコ、ビスケットに次ぐ第三のカテゴリー。2021年は生産逼迫により苦戦しているように見えたが、22年以降は好調に推移し米菓との組み合わせにかなりの可能性がある」との見方を示す。

「バリカタ職人シェアパック」は、国産米100%(米原料中)使用した堅い米菓を秘伝の比率でチョコ包みしたチョコせんべい。米菓はチョコと合わせるようにこだわり抜いたバリカタ醤油あられを使用し、甘じょっぱい味わい、食感が特徴。

そのほか主流の提案としては、前述の4つの外部環境に対応すべく「ガーナ」「クランキー」「ZERO」などの各ブランドから新提案を行う。

「紗々」ブランドからは、冬季チョコの王道フレーバーとされるキャラメルとトレンドのバターを組み合わせた「ばたぁきゃらめる」を10月24日に新発売。同時期、グループ会社の銀座コージーコーナーからも「ばたぁきゃらめる」のケーキを新発売して話題化を図る。

「パイの実」ブランドは、「深みショコラ」2品を9月26日にリニューアル発売。「新たな取り組みとして、パイ生地にもしっかりチョコを練り込むことで、生地からもチョコ味を味わえる品質に磨きをかけた」。

「ビックリマンチョコ」ブランドは、先行販売して販売好調の「天使が悪魔になっちゃったビックリマンチョコ」を10月3日から西日本エリアにて発売する。続いて10月17日には「呪術廻戦マンチョコ2」を東日本エリアにて発売する。

なおチョコ市場が22年前年を下回った中、ロッテのチョコカテゴリー販売金額は前年比1.2%増となった。

「チョコは嗜好品のため、昨今の値上げ基調で最初に選択外にされるカテゴリーと思っていたが“日々ストレスを抱えている中でチョコくらいは食べさせてよ”というお声が多く聞かれた。我々としても必需品と思われているチョコに対し、もっとニーズを満たせるように商品ラインナップを拡充していきたい」と意欲をのぞかせる。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。