マルハニチロは、北米の冷凍食品事業でアジアンフードの開拓に挑む。昨年出資した米国の食品企業「Waffle Waffle社」より、共同開発した新ブランド「LAUGHING TIGER(ラッフィング・タイガー)」を8月29日に発売。ソースにこだわった「ガーリック塩焼きそば」や甘辛ソースがクセになる「プルコギ」など4フレーバーで、レストランクオリティの本格的な味わいを訴求していく。
米国では日本・中国・東南アジアの食に関心が高まっており、冷凍食品のアジアンフード市場は2~3千億円規模まで拡大している。すでに日本を含むアジアの大手食品メーカーらが多数展開。
今回の市場参入について、マルハニチロ事業企画部の下川健氏は「周回遅れの後発になると認識しているが、当社の知見を生かし、現行の市場で主流となっている“アメリカンチャイニーズ”とは差別化された新商品を目指した」。
「LAUGHING TIGER」のメーンターゲットはミレニアル世代の主婦とその家族。一般的な中華料理のテイクアウトにとどまらず、アジア地域全体の多様で豊かなメニューを展開していく方針だ。アイテムは日本の「Japanese-Style Ramen Stir Fry(ガーリック塩焼きそば)」、韓国の「Korean-Style Bulgogi Beef Stir Fry(プルコギ)」、タイの「Thai-Style Drunken Noodles(ドランケンヌードル)」と「Thai-Style Green Curry Sauced Chicken(グリーンカレー)」の4品。生産は委託工場。現地に出向し開発に参加している上田康平氏は「当社はアジア料理にかかわるレシピを数多く保有している。本格的なおいしさを再現するため、原材料の選定から味づくりまで可能な限りこだわった」。
いずれも595g(2~3人前)。麺・白米・ソース・具材などがセットになっており、フライパン調理約10分で完成する。価格は9.27ドル。レギュラークラスの商品よりは若干高めに設定している。
初回出荷はウォルマート全店の約半数に展開し、他の小売業にも順次拡大。プロモーションとしてSNSを活用した調理説明・食べ方提案、アジア料理の啓もう活動、懸賞キャンペーンなどでファン獲得を図る。