「働きがい」は、自分の仕事が誰かの役に立ち社会にも貢献していると感じることで、その点、効率や時短を追求する「働き方改革」とは異なる。最近では入社の志望動機も多様化し、給料や待遇よりも、志望の企業が環境保全活動やSDGsに真剣に取り組んでいるかを重要視する学生も散見されるとか。
▼業務内容もしかり。毎日の仕事がルーティーンに陥ると働きがいの要素は薄れる。社員の給料を下げざるを得ない若手経営者いわく、新規プロジェクトを立ち上げたところ社内がどっと沸き社員がついてきてくれたという。
▼このように仕事に対する価値観は多様化しているのだが、昨今取り沙汰される物流の2024年問題はこの点をおざなりにしているような気がして止まない。
▼「自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が2024年4月1日以降960時間に制限される」が政府方針。その対策として出てくるのはリードタイム延長や輸送距離削減といったものばかり。たくさん働いて稼ぎたいドライバーもいるはずだと思う。商品と同様、物流においても価値(労働)に見合った価格の議論をもっとすべし。