BTSやディズニーなど“楽しさ”続々提案でガム市場活性化 板ガム・フーセンガムは若年層に商機 ロッテ

ロッテは今期(3月期)、ガムカテゴリーでBTSを継続起用するほか新たにディズニーとコラボするなどして“楽しさ”を続々と提案して市場活性化を図る。

今期、ガムで掲げたエンジョイ・エチケット・キシリトール取り組みのマーケティング活動の3つの柱のうちエンジョイの取り組みとなる。

エンジョイの目玉施策としては、「キシリトール」とBTSとのコラボを進化させる。

7月5日発表したマーケティング本部ブランド戦略部チューイング企画課の福田貴司氏は「BTSとのタイアップは今年で3年目となる。1年目は認知獲得、2年目は機能理解の促進、今年は習慣化を図るために強化していく」と語る。

BTSコラボ商品は、商品数を絞り込みつつ1品ずつの魅力を高めていく前期の考え方を踏襲。

7月に季節のフルーツを使用したスティック単品ガム、10月にARを採用しデザインに磨きをかけたソーダ味のフーセンボールガムとフーセン品質でミント味の板ガムの発売を予定している。

10月に発売予定の2品は、それぞれ7種のデザインを用意。

この2品について「板ガムは物凄くユニークで、正面と側面にデザインして1つの商品でBTSメンバーの2つの表情が楽しめるようになっている。ボールガムは7つ並べると長テーブルにメンバーが横並びになるほか、QRコードをスマホで読み込むとBTSが現れるAR仕様となっている」と説明する。

BTSコラボ商品では、非認知層やライト層の獲得を目的とし、親子世代に向けては、創立100周年を迎えるウォルト・ディズニー・カンパニーをお祝いする形でディズニーの様々な作品とコラボして喫食を促進していく。

「『Disney100』という括りであらゆる作品が使用可能となり1商品で幅広いターゲットにアプローチできる」と期待を寄せる。

リピート率が高い傾向にある「キリシトールガムENJOY CLUBアソートボトル」ではディズニーとのデザインタイアップ第二弾を9月5日に秋冬の期間限定で発売してトライアルを促していく。

Z世代の獲得に向けては、5月に2.5次元アイドルグループ「いれいす」とコラボした「キシリトールガム いれいすアソートボトル」を発売した。

これについては「コラボ楽曲も作り85万回以上再生されたことから有効な施策だった」と総括する。

「ふ~せんの実ボトル ワクワクみっくす!」(ロッテ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ふ~せんの実ボトル ワクワクみっくす!」(ロッテ)

ガムユーザーの裾野拡大に向けて、板ガムやフーセンガムの魅力発信にも挑む。

板ガムについては「購入率は粒ガムが30%弱であるのに対して板ガムが5%弱だが、逆に大きな伸び代があるはず。ガム市場が伸張している追い風も活かしながら、これまで板ガム非購買層に新しいと思ってもらえるようなチャレンジをしていきたい」と意欲をのぞかせる。

この考えのもと、SNSで反響となった復刻ガムを継続するほか、“ガムはご機嫌な自分を作ることができる”といった趣旨の板ガム専用のコミュニケーションを展開していく。

フーセンガムでは「お台場冒険王」の企画に参画。超膨れガムが体験できる常設ブースを設けるほか、大きく膨らませるかを競う「ロッテふ~せんガム‐1グランプリ」(L-1グランプリ)を実施し話題化を図った。

加えてTV番組とも連携。冒険王メインステージのネーミングライツを取得し、お天気コーナーのスタジオをフーセンガムの世界観で装飾。これにより「会場だけではなく、お茶の間にもフーセンガムが露出される構造をつくっていく」。

9月5日にはロッテ初の新品質商品として、従来のフーセンガムよりも膨らませやすい「ふ~せんの実ボトル ワクワクみっくす!」を新発売した。

フーセンガム市場は近年好調に推移。「売上規模は19年比で15%ほど伸長。特にZ世代の購入率は19年比2倍近くまで上がっており、Z世代の共感が得られる可能性が多くある」とみている。