三輪そうめん 販売は例年並みも、課題山積 時代に合ったそうめんに

奈良県三輪素麺工業協同組合の小西幸夫理事長と、その販社組織である奈良県三輪素麺販売協議会の池田利一会長(池利会長)は、8月28日に催した「三輪そうめん感謝祭」の直会にて、この夏の手延そうめん商戦を振り返って、次の通り語った。

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小西理事長

5月の連休明けから暑い日が続き、梅雨入り後の出だしは好調、7月は例年通りよかった。世間では景気回復傾向と言われ、旅行者の増加、消費拡大など明るい話題が増えつつあるが、現状は物価高騰、深刻な人手不足と課題が山積しており、到底実感できるものではない。コロナ感染拡大も完全に収束したとは言えず、生産や経営に慎重にならざるを得ない。今後も行き先不透明な状態が続く。

その一方で、われわれは事業拡大を目指さないといけない。PRの機会を通して、三輪そうめんを知ってもらう活動を強化しつつ、品質の維持向上も必要。手延そうめん生産は、家族中心の小規模生産者によって支えられているが、高齢化が進み生産量縮小になっていることは否めない。消費者の安全安心のニーズに応えるための管理作業、投資が負担になり、業界が一致団結して課題解決に取り組んでいかないといけない。

池田利一会長(奈良県三輪素麺販売協議会) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
池田利一会長(奈良県三輪素麺販売協議会)

池田会長

4年程前から奈良県の補助金支援を受けて、今後5年、10年先の三輪そうめんのあるべき姿について議論を重ねてきた。組合員と販売協議会が一緒になって、三輪を盛り上げていくために、これらの応援を無にすることなく、力を合わせて頑張っていきたい。ただこの3年半にわたるコロナ禍のなかで国内外の環境が大きく変わってしまった。大切なことは、伝統を守り継ぎながら時代に合った三輪そうめんに変化していくことだ。