アメリカ乳製品輸出協会によると、昨年の米国から世界へのチーズ輸出量は45万1千370tと00年の水準から8・5倍近い飛躍的な伸びを示した。最大のチーズ輸出国である米国産チーズは、これまで業務用市場を中心に活用されてきたが、小売市場でもさらなる拡大が見込まれ、今後はプロセスチーズ原料用としての浸透も期待される。
米国では昨年、1億2千万t以上の生乳を生産し、そのうち16%をチーズや乳製品として輸出した。チーズ生産量は欧州の上位3か国(独・仏・伊)合算量を18%上回る630万tに達し、生産量全体の34%をモッツァレラチーズ、29%をチェダーチーズが占める。輸出先の6割はメキシコと北アジア地域で、日本へは昨年、およそ4万2千tのチーズを輸出した。
持続可能な酪農生産にも力を入れている。米国では約3万1千戸の酪農家が生乳を生産しているが、国際連合食糧農業機関(FAO)によれば、過去10年間に温室効果ガス排出原単位を20%削減し、絶対的な排出量も0.5%減らしながら生乳生産量を増やした唯一の地域だ。
品質でも世界最高水準と評される米国産チーズ。昨年実施した世界最高峰のチーズコンテスト「ワールド・チーズ・アワード」では134個のメダルを獲得し、「国際チーズ・アンド・デイリー・アワード」でも70個のメダルを受賞するなど質・量ともに世界のチーズ市場を牽引している。